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チャイナシンドローム 環境用語

作成日 | 2012.05.16  更新日 | 2019.07.05

チャイナシンドローム

チャイナシンドローム   【英】China Syndrome  

解説

原子炉中の核燃料の大部分が溶融して、圧力容器の底にたまった状態となるメルトダウン(炉心溶融)が進行し、さらに鋼鉄製の圧力容器の底を溶かして貫通してその外側の格納容器にまで達するかあるいはそれをも貫通して外部に達する場合をメルトスルー(溶融貫通)という。その俗称がチャイナシンドローム(中国症候群)であり、放射性物質が外に漏れ出す重大な原子力事故のひとつである。なおシンドロームとは、一つ原因から生じる症状(症候群、シンドローム)や一群の関連のあるものをいう。

米国の原子炉が溶融貫通を起こした場合に、溶けた核燃料が岩石等を溶かして地中深く沈み込み、ついには地球の裏側の中国まで突き抜けることになるというジョークに由来する。

1979年に公開された原発事故を描いたアメリカのサスペンス映画の題名であり、映画では原発の取材中に事故に遭遇して、それを伝えようとする女性レポーターと命がけで事故を防ごうとする原発管理者、それに対し故障等の情報をもみ消そうとする原発管理会社等の対立を描いている。最終的に故障した原子炉は大惨事を起こす寸前で停止したものの、事故の隠蔽を図る管理者によって真実を告発するニュース番組は中断して終わるというストーリーである。公開から12日後にスリーマイル島原子力発電所事故が起きたこともあって、映画は大ヒットし、「…シンドローム」という流行語が多数生まれた。

なお、福島第一原子力発電所事故においては、2012年現在では圧力容器及び格納容器の損傷状況の詳細は不明であるとされているものの、1-3号機でメルトスルーが起き、格納容器の底部に達していると推定される。

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