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シップリサイクル条約 環境用語

作成日 | 2018.11.13  更新日 | 2018.11.14

シップリサイクル条約

シップリサイクルジョウヤク   【英】Convention for Recycling of Ships  

解説

「2009年の船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約(Hong Kong International Convention for the Safe and Environmentally Sound Recycling of Ships, 2009)」の通称。老朽船舶の解体は、1970年代から台湾や韓国が担うようになり、1980年代には中国が参入、1990年代からはインド、パキスタン、バングラデシュといった国々が主役を務めるようになり、そうした途上国でのリサイクルにおける労働安全や環境対策の問題がクローズアップされてきたことを背景に策定された。

本条約において船舶は、条約で定める有害物質の搭載・使用を禁止・制限し、船舶に含有される有害物質の量や所在を記載したインベントリーを作成・保持・更新し、最終的に船舶リサイクル施設に引き渡すこととされ、船舶リサイクル施設も、施設の運営計画を策定し、関係指針に沿った安全や環境要件を遵守できることが担保されて初めて締約国であるリサイクル国の政府から承認を受けられることになっている。

なお、本条約は、2009年5月の香港における国際海事機関(IMO)の会議で採択され、(1)15か国以上が締結し、(2)それらの国の商船船腹量の合計が世界の商船船腹量の40%以上となり、かつ、(3)それらの国の直近10年における最大の年間解体船腹量の合計がそれらの国の商船船腹量の3%以上となる国が締結した日の24か月後に発効することとなっている。現時点(2018.4)では未発効であるが、条約を先取りしたEUによる域内規制は2013年12月に発効している。また、我が国は、本条約の批准に向けて、国内担保法となる「船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律案」を2018年3月に閣議決定している。(2018年4月作成)

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