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林冠クレーン 環境用語

作成日 | 2003.09.12  更新日 | 2009.10.15

林冠クレーン

リンカンクレーン   【英】Canopy Crane  

解説

林冠(キャノピー Canopy)を調査するための設備で、建築用のタワークレーン状のもの。森林、特に熱帯、の上層を形成する葉が茂っている表面部分(林冠)は、豊富な光量があるため光合成の速度が速く、多量の葉、花や果実を生じ、これに集まる多様な動物の生息場所ともなっている。このため、生物多様性の相互作用などを明らかにする研究では、林冠部の調査が重要であり、「林冠生物学」として研究分野を確立しつつある。林冠クレーンは、こうした研究を行うに際して、林冠部(熱帯では、60-70mの高さ)へ到達するための設備の一種。世界で最初の林冠クレーンは、生物多様性と大気-森林間のガス交換研究のため、1990年にスミソニアン熱帯研究所と国連環境計画(UNEP)によりパナマ共和国に建設されたものといわれている。現在では、パナマ(2基)のほか、米国西海岸、ベネズエラ、オーストラリア、スイス、ドイツ、マレーシア、日本では北海道にも設置されている。なお、林冠への到達のためには原始的な木登りのほか、設備としては、木登り用梯子、塔・タワー(火の見やぐら状)、ウォークウェイ(林間吊り橋状)などがある。固定式のこれら設備に比して、林冠クレーンは可動性があり、調査範囲が広いのが特徴。最近は、気球などを使用する例もある。

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