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セルロースナノファイバー 環境用語

作成日 | 2017.09.19  更新日 | 2017.09.19

セルロースナノファイバー

セルロースナノファイバー   【英】cellulose nanofibers  [略]CNF  [同義]バイオマスナノファイバー  超微細植物結晶繊維 

解説

木材などから得られる植物繊維のセルロースを数ナノメートル(ナノは10億分の1)にまで微細化して生産されたバイオマス素材のこと。英名からCNFと記され、バイオマスナノファイバーあるいは超微細植物結晶繊維と呼ばれることもある。軽くて丈夫(鋼鉄の1/5の軽さで5倍以上の強さ)、熱による伸縮が小さい、比表面積が大きい、ガスバリア性が高い(空気など気体を通しにくい)などの性質を有する一方、植物由来のために資源は持続的であり、生産・廃棄における環境負荷も小さいなどの優れた特性が注目されている。

研究が本格化してわずか10年ほどであるが、紙おむつ、ボールペンのインク改良、透明紙など日常生活用品にも実用化されている。さらに、自動車部品、建築資材、ウェアラブル端末などの素材への応用研究が進んでいる。

植物由来であることから、木材のほか、稲わら、サトウキビ搾りかすのほか、キャッサバ・ジャガイモなどのデンプン搾りかすなども原料となり、原料取得の持続性と廃棄物の有効利用、さらに製品のリサイクル・焼却処分が可能になるなどの環境面での利点が注目されている。軽量なCNF製の自動車は、燃費向上の面から地球温暖化防止の面からも期待されている。この分野では日本の技術開発研究が進んでおり、政府の日本再興戦略にもCNF研究開発が掲げられているが、現時点ではまだ生産コストが高いことが課題でもある。(2017年8月作成)

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