気候変動関係の動きについては海外重大ニュースのコメントに譲りますが、国内2位にあげたアスベスト対策については、8月に発表された政府の過去の対策の検証結果が印象に残りました。
この検証結果では、「「旧労働省・旧環境庁が1972年にはアスベストの危険性を認識していたが、当時は(1)環境対策はエンドオブパイプ(汚染物質の工場外排出防止)で行うという認識が強かった上に、(2)科学的に不確実な問題への予防的対策の必要性も薄く、さらに(3)政府全体として危険性についての情報共有がされていなかったため、政府全体で総合的にアスベスト対策を展開していくことが遅れた」という指摘がされています。
この指摘を逆手にとると、「問題の根本原因を的確に捉え、早期から予防的に、関係者と情報共有や適切な連携しながら対策を進める」ということが望ましい環境問題への取組みということになりますが、現在進んでいるさまざまな環境問題対策について、果たしてこのことがどこ程度実現されているのか、大切な教訓になる指摘だと思いました。
なお1〜10位に示したもののほかに、改正
省エネ法の公布(8月、ただし施行は18年4月)
【1】、EUの
RoHS指令などへの対応を示した環境省検討会と産業構造審議会の2報告書の公表(8月)
【2】、ダイオキシン類排出量削減の新計画了承(6月)
【3】、水素
燃料電池自動車の型式認証(6月)
【4】、新首相公邸への家庭用
燃料電池導入(4月)
【5】などランキング候補にあがったニュースが数多くありました。
'06年には明るい環境ニュースが増えてくることを願ってやみません。