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No. アメリカ横断ボランティア紀行(第11話) レッドウッド国立州立公園到着
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Issued: 2007.06.28
レッドウッド国立州立公園到着[1]
太平洋の波に浸食された海岸線は荒々しい風景をつくりだす。
太平洋の波に浸食された海岸線は荒々しい風景をつくりだす。
 サンフランシスコで大量の生活物資や食料を買い込み、次の研修地、レッドウッド国立州立公園を目指す。太平洋岸に沿ってカリフォルニア州道1号線をゆっくり北上していくと、これまで走ってきた内陸部とは全く違う風景が広がっていた。レッドウッド国立州立公園のゲートシティーであるアルカタという町までは1泊2日ほどの行程だ。

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 目次
レッドウッド国立州立公園へ向けて
フォートブラッグ
フンボルトレッドウッズ州立公園
レッドウッド国立州立公園へ向けて
ポイントレイズ国立海岸のビジターセンター

 ミュア・ウッズ国立記念物公園を出て、しばらくは海沿いの曲がりくねった道が続く。途中、ポイントレイズ国立海岸のビジターセンターに立ち寄る。この国立公園局の管理する公園地は、乗馬やトレッキングなどのレクリエーションも盛んで、駐車場には馬を運ぶトレーラーが何台も停まっていた。素晴らしい原生的な海岸線が残されているそうだが、時間がないので残念ながら先を急ぐことにした。
太平洋の眺め。道路わきに車を停めるとすぐにこのような風景が広がっている。

 道はしばしば海沿いの海食崖上に出る。サンフランシスコの周辺とはだいぶ趣が異なる。この地域の海岸線は、太平洋プレートと北米大陸プレートが接しているために、現在もかなりのスピードで隆起が続いている。それを波と太平洋から運ばれる大量の降雨が侵食する。その景観は荒々しく壮観だ。沿道には小さな集落が点在するのみで、経済的には貧しそうだ。米国東部のケンタッキー州などに比べると、建物はずっと小さい。しかしながら、この雨の多い、湿潤で荒々しい自然は、アメリカの持つ「自由」や「自然の豊かさ」のようなものを連想させてくれる。思わず、目もくらむような海食崖上に車を停めて、その風景に見とれてしまう。
ポイントレイズ国立海岸の入口標識
ポイントレイズ国立海岸の入口標識
○ポイントレイズ国立海岸(Point Reyes National Seashore): 国立公園局ホームページ http://www.nps.gov/pore/
 ポイントレイズ国立海岸は、1962年9月に、当時のジョン・F・ケネディー大統領によって設立された。その後1976年にウィルダネス地域が指定された。1988年にはカリフォルニア州の中央カリフォルニア海岸生物圏保護区の一部として指定されている。年間利用者数は207万人(2006年)。面積は28,761ヘクタール(うち、ウィルダネス地域はその約47%に相当する13,506ヘクタール)で、ハイキングトレイルの延長は240キロメートルにも及ぶ。
 ポイントレイズ国立海岸には、太平洋の波浪によって浸食された海食崖、原生的な砂浜、草地、草に覆われた丘陵地帯、森林に覆われた尾根など多様な地形があり、1,000種を越える動植物種が生息・生育する。毎年春には7,000頭ものゼニガタアザラシが見られるが、これは島嶼部を除くカリフォルニア州で繁殖する個体の約20%に相当する。また、3月及び4月には、コククジラが沿岸を北上する。国立公園局のホームページでは、シロチドリの繁殖地を守るボランティアなどの募集が行われている。

フォートブラッグ
 州道1号線をひたすら北上する。ポイントレイズ国立海岸を過ぎたあたりから道路のカーブも緩やかになってきた。途中パンなどで昼食をとりながら、午後3時ごろにフォートブラッグ(Fort Bragg)に到着。ここから、レッドウッド国立州立公園のゲートシティー、ユーレカ(Eureka;「ユリーカ」と発音される)、アルカタ(Arcata;「アーケイダ」と発音される)までは1日弱の行程。ようやく、マンモスケイブ国立公園を出発してから20日以上の引越し生活も終わる。
 そんな安堵感が一気に吹き飛んだのは夕食時だった。食べ終わってデンタルフロスを使っていたところ、またもや奥歯の詰め物がとれてしまったのだ。
 「いつも忙しい時に歯がおかしくなるね」
 と妻も苦笑している。到着早々、また歯医者に行かなければならない。

フンボルトレッドウッズ州立公園
アベニュー・オブ・ジャイアント

 フォートブラッグから内陸部に入り、101号線を北上する。この道路はインターステートではないが、サービスエリアも設置されている高規格道路だ。この101号線沿線にはフンボルトレッドウッズ州立公園が広がっている。公園内には、「アベニュー・オブ・ジャイアント(巨木の並木道)」と呼ばれるかつての幹線道路が残っている。幹線道路といっても片側一車線の細い道路だ。原生林のまっただ中を通っているので、巨木の間を縫うように右に左に曲がりくねっている。路肩に車を停めてみると、林床には湿った落葉が厚く積もっている。樹皮は一見分厚いフェルトのようだが、触ってみると思いのほか硬く湿っている。幹は私たちの車の幅よりも太い。枝にさえぎられ梢は見えない。樹冠が閉じていて、林の中は薄暗く静かだ。

 現在残されているレッドウッド林の約半分は、こうした州立公園とレッドウッド国立公園によって守られている。その他はほぼ切りつくされてしまっているそうだ。州立公園のビジターセンターには、州立公園の職員が1人、カウンターに座っていた。ビジターは私たちの他は2〜3人、レッドウッドや野生生物の展示に見入っている。展示はレッドウッド伐採の歴史やそのために引き起こされた大洪水、それをきっかけに起きた公園設立の動き、などがわかりやすく紹介されている。ビジターセンターの展示の特徴は、自然と人間とのつながりを描き出していることだ。ネイティブアメリカンからはじまり、人間がどのようにこの地域のレッドウッドの森と関わり、自然がどう変化したのか、そしてなぜ保護区が必要なのか、というメッセージが直接伝わってくる。アメリカの自然公園は、文化財も同じ管理下に置かれているため、むしろこうした展示内容が自然なのだ。
フンボルトレッドウッズ州立公園のビジターセンター

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