本2008年は、1997年に決まった「京都議定書」から丸10年を経て、いよいよ年初1月1日から第一約束期間に突入することになりました。この第一約束期間では、2012年までの5年間の平均排出量により、日本の目標値「マイナス6%」の達成が求められることになります。こうした流れを受けて、日本政府は7月に「低炭素社会づくり行動計画」を閣議決定。これにもとづいて準備を進めてきた「排出量取引の国内統合市場」が10月に試行的実施の決定し、「オフセット・クレジット(J-VER)制度」も11月に創設されました。なお、7月の洞爺湖サミットでは、より中長期の目標となる「2050年までに温室効果ガスの50%削減」に対する各国のビジョン共有が図られるなど、08年も地球温暖化の話題が大きく取り上げられてきました。
一方、「生物多様性」に関わるいくつかの重大なできごとがあった年と、後にふりかえることになるかも知れません。5月にドイツのボンで開催された生物多様性条約締約国会議では、2010年の次回会議(COP10)の開催地が名古屋市に決定しました。国内では、5月末に「生物多様性基本法」が議員立法で成立した他、エコツーリズム推進法の施行(4月)や基本方針の閣議決定(5月)などもありました。7月のサミットでも、日本の豊かな自然をアピールしつつ、生物多様性保全に向けた気運を高めようといった取り組みも重ねられています。また、2月のアホウドリ聟島移送、9月のトキ放鳥など、野生生物保護の上でエポックとなるできごともありました。この他、年間を通して「国際サンゴ礁年」として、サンゴ礁に対する理解促進や保護の推進が図られてきています。
洞爺湖サミットと並んで(いえ、それ以上に)世間の耳目を集めたことといえば、8月の北京オリンピック開催だったでしょうか。大気汚染をはじめとする環境汚染や民族問題などスポーツの祭典の影にある事件や問題にスポットが当たることもいくつかありました。国内ニュースでは、北京オリンピックを契機にした普及啓発の面で、いくつか関連する環境ニュースを紹介しています。