次期枠組の議論が注目を集める中、現行の枠組である京都議定書の
第一約束期間(2008〜2012)初年度の集計結果が公表されました。環境省発表の速報値によると、温室効果ガスの総排出量は12億8,600万トン。
基準年の総排出量と較べると、初年度の結果は「+1.9%」になるそうです。
この値、実は前年度(2007年度)に較べると、「6.2%」減少しています。原因としては、金融危機の影響による急激な景気後退に伴うエネルギー需要の減少などがあげられるとしています。
一方、世界に目を転じると、国際研究計画「
グローバル・カーボン・プロジェクト(GCP)」がまとめたレポートでは、2008年のCO
2排出量は世界金融危機にもかかわらず前年比で2%増加し、一人当たり年間1.3トンと過去最高に達したと報じています。
はたして、「1990年比-6%」という日本が国際社会に公約した目標は達成できるのでしょうか。とともに、地球規模の気候変動は状況改善していけるのでしょうか──。今後も待ったなしの状況が続きます。
※なお、京都議定書の定める「基準年」は、
CO2、
CH4、
N2Oについて1990年、HFCs、PFCs、
SF6については1995年としています。