EICネット
前のページへ戻る

EICピックアップ

環境を巡る最新の動きや特定のテーマを取り上げて(ピックアップして)、有識者に寄稿してもらったり取材して記事にまとめたりして、わかりやすくご紹介します。

トップページへ

グローバルメニュー
  • 国内ニュース
  • 海外ニュース
  • イベント情報
  • 環境Q&A
  • 機関情報
  • 環境リンク集
  • 環境用語集
  • ライブラリ
  • 森づくり
目次
環境回復研究
環境創生研究
災害環境マネジメント研究
【1】福島県環境創造センター
 環境創造センターは、放射性物質により汚染された環境を早急に回復し、将来にわたって安心して暮らせる環境を創造することを目的として福島県が設置した施設です。
 2015年度に南相馬市施設、2016年度に三春町施設が整備されました。この三春町施設の研究棟内には、国立環境研究所と日本原子力研究開発機構が入居し、福島県と三位一体となって環境回復・創造研究を実施しています。

No.255

Issued: 2016.09.20

国立環境研究所福島支部における災害環境研究ついて

 国立環境研究所では、2011年3月11日の東日本大震災以降、国や地方自治体、大学や関係機関と連携して様々な被災地支援の研究活動を行ってきました。その取り組みは、長年培ってきた環境研究の知識と経験をもとにした「災害環境研究」という新たな分野として位置づけられ進めてきました。その取り組みは、被災地等におけるがれき等の災害廃棄物や放射性物質に汚染された廃棄物の処理・処分、放射性物質の環境動態や生物・生態系影響、地震・津波による環境変化・影響、被災地の復興まちづくりと地域環境の創生など広範に及んでいます。
 2016年4月、国立環境研究所は、被災地に根ざした調査研究をさらに力強く継続的に推進するため、福島県三春町に整備された福島県環境創造センター【1】の研究棟内に、研究所初の地方組織となる福島支部を開設しました。
 今後は、福島支部を拠点として、つくば本部との連携はもとより、福島県や日本原子力研究開発機構(JAEA)を初めとする関係機関、様々な関係者と力を合わせて、被災地の環境回復と環境創生に向けた災害環境研究に取り組んでいきます。また福島県環境創造センターが進める環境情報の収集・研修・交流等の取り組みに、研究面から支援、協力していきます。これらを進めることによって、災害環境研究の世界的拠点を目指します。

 災害環境研究は、下図に示す「環境回復研究」、「環境創造研究」、「災害環境マネジメント研究」という3つの研究プログラムを軸として、被災地の環境回復・復興、将来の災害に備えた環境と安全を守る社会づくり、に貢献することを目的とした研究活動です。

災害環境研究の3つの研究プログラム
災害環境研究の3つの研究プログラム

環境回復研究

 放射性物質により汚染された地域の環境回復を速やかに進め、安全・安心な生活を確保するための研究を推進します。

(1)廃棄物管理システム
 放射性物質に汚染された廃棄物・土壌などの発生から、適正な管理・処分に至るまでに必要な技術・システムの開発・評価を総合的に行います。その科学的知見を国等に提供することで、汚染廃棄物等の適正かつ円滑な処理の推進をめざします。

廃棄物管理システム
廃棄物管理システム

(2)環境動態・影響評価
 現地観測やシミュレーションにより、環境中の放射性物質の動態、生態系の変化、被ばく量などを明らかにし、将来の予測と対策効果の評価を行います。これらの研究成果によって、国や自治体が実施する所先頭の活動を科学的に支援することをめざします。

環境動態・影響評価
環境動態・影響評価


環境創生研究

 被災地の復興と持続可能な地域づくりの支援を目的とする環境創生研究では、地域の特長を活かし、環境に配慮した復興を支援するため、地域診断、将来シナリオの作成、省エネルギーな技術開発と地域事業設計、住民が参画する計画づくりなど役立つ研究を進めます。

環境創生研究
環境創生研究


災害環境マネジメント研究

 東日本大震災の経験と教訓を生かして将来の災害に環境面から備えることを目的とした研究です。環境・安全・安心面から将来の災害に備えるために、強靱な資源循環・廃棄物管理システムや環境・健康リスク管理戦略、それを支える人材育成と国内外ネットワークづくりに向けて取り組みます。

災害環境マネジメント研究
災害環境マネジメント研究

 災害環境研究の成果については、論文などで発表するだけでなく、HPをはじめシンポジウム、ワークショップ、出前講座等を通じて、できる限り分かりやすくお伝えするよう努めています。一度、国立環境研究所HPの以下のサイトを訪れていただければ幸いです。研究所の研究情報誌「環境儀」でも、環境回復研究と環境創生研究をテーマに、研究者のインタビューも含めて掲載しておりますので、こちらも是非ご一読ください。

国立県境研究所の災害環境研究のあゆみ(「環境儀No.58」より抜粋)
トピックス
2011年4月
  • 所内公募型研究「震災対応型研究」において環境回復研究に着手
12月
  • 放射性物質・災害環境研究チーム」(廃棄物関係グループ、多媒体での環境動態解明グループ)を設置し全所的な研究推進体制を整備
  • 平成23年度受託研究「放射性物質・災害と環境に関する研究」により本格的に研究開始
2012年2月
  • 福島県の環境創造戦略拠点基本構想検討委員会に参画、福島県環境創造センター(仮称)構想の検討に協力
11月
  • 南相馬市にフィールド調査用実験室を設置
2013年10月
  • 福島支部準備室を設置
2014年3月
  • 郡山市で「災害環境研究」報告交流会開催
7月
  • 国立環境研究所福島出張所を開設
  • 福島県環境創造センター運営戦略会議において「環境創造センター中長期取組方針」策定
2015年3月
  • 仙台市で開催された第3回国連防災世界会議のパブリックフォーラムとして「災害環境研究シンポジウム-東日本大震災の経験に基づく災害環境学の確立-」開催
4月
  • 福島県、日本原子力研究開発機構と「環境創造センターにおける連携協力に関する基本協定」締結
5月
  • 中間貯蔵・環境安全事業株式会社との連携・協力に関する協定を締結
2016年4月
  • 国立環境研究所福島支部を開設




記事:国立研究開発法人国立環境研究所福島支部・管理課長 渡邊充、
図版:国立研究開発法人国立環境研究所福島支部

〜執筆者プロフィール〜
渡邊充(わたなべみつる)
 国立研究開発法人国立環境研究所福島支部・管理課長。
 福島県創造センターに関しては、建物の設計段階から会議に出席し、28年3月のに竣工後は管理課のリーダーとして赴任するなど長く関わっております。管理課は少人数ですが一事業所としてやらなければならない仕事は幅広く、また国立環境研究所初の支部と言うことで色々と事務処理に工夫が必要で、毎日が手探り状態です。福島での研究も本格的にスタートしましたが、今後も皆様の期待に応えるべく、研究のサポート役として邁進して参ります。これからもご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。