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No.264

Issued: 2017.09.19

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)の一部を改正する法律について

 我が国における廃棄物の適正処理等を確保するため、本年6月に廃棄物処理法が改正されました。改正法においては、平成28年1月に発覚した食品廃棄物の不正転売事案を始めとする廃棄物の不適正処理事案の発生や、雑品スクラップの不適正な保管等による生活環境保全上の支障の発生等を受け、廃棄物の不適正処理への対応の強化(許可を取り消された者等に対する措置の強化、マニフェスト制度の強化)、有害使用済機器の適正な保管等の義務付け等の措置を講じました。

食品廃棄物の不適正処理事案
食品廃棄物の不適正処理事案

雑品スクラップ
雑品スクラップ

廃棄物処理法の改正経緯

 廃棄物処理法は、我が国における廃棄物の適正処理や生活環境を清潔にすることを確保し、循環型社会を形成していくため、累次の改正を重ねてきました。
 このような状況の中、平成22年に改正された廃棄物処理法が施行されてから5年が経過し、附則に基づき施行状況について検討を加えることとされていたことを踏まえ、中央環境審議会循環型社会部会に廃棄物処理制度専門委員会を設置し、総合的な検討を行いました。
 廃棄物処理制度専門委員会においては、まず施策の施行状況の点検を行い、これまでの適正処理対策に一定の効果はあったものの、廃棄物処理の構造改革は未だ途上にあり、今後、より効果的に進めるためには、更なる適正処理の推進に向けた取組を検討する必要があること、また、健全な資源循環の推進に向けた取組については、個別リサイクル法に基づく取組と相まってこれまでの取組に一定の効果があったものの、より一層の推進に向け、更なる取組を検討すべきではないかとの評価が行われました。
 これを受けた中央環境審議会の意見具申を踏まえ、廃棄物処理法の改正案を検討し、第193回国会において廃棄物処理法の一部を改正する法律が成立しました。

廃棄物処理法平成29年改正のポイント

 改正の主なポイントは以下のとおりです。

[1]廃棄物の不適正処理への対応の強化
 平成28年1月に発覚した食品廃棄物の不正転売事案を始め、引き続き廃棄物の不適正処理事案が発生していたことから、廃棄物の不適正処理への対応を強化しました。

  • 事業の廃止等に伴う措置
     産業廃棄物(特別管理産業廃棄物)処理業の事業を廃止した者又はこれらの許可を取り消された者であって、当該事業に係る産業廃棄物の処理を終了していないものに対し、処理を委託した者に事業を廃止した旨を通知することを義務付けました。(第14条の2第4項、第14条の3の2第3項、第14条の5第4項及び第14条の6関係)
     廃棄物処理業を廃止した者等により、廃棄物処理基準に適合しない廃棄物の保管が行われていると認めるときは、市町村長、都道府県知事又は環境大臣は、廃棄物処理基準に従って廃棄物の保管をすることその他必要な措置を講ずべきことを命ずることができるものとしました。(第19条の10関係)
  • マニフェスト制度の強化(電子マニフェストの一部義務付け、罰則強化)
     その事業活動に伴い多量の産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を想定)を生ずる事業場を設置している事業者(年間50トン以上特別管理産業廃棄物を排出する事業場を設置している事業者を想定)に対し、電子マニフェストの使用を義務付けることとしました。(第12条の5第1項関係)
     更に、産業廃棄物管理票の虚偽記載等に係る罰則を引き上げました。(第27条の2関係)

電子マニフェストの仕組み
電子マニフェストの仕組み

電子マニフェスト普及率
電子マニフェスト普及率

[2]有害使用済機器の保管・処分に対する規制
 有害物を含む使用済電気電子機器がその他の金属スクラップと混合されたもの(いわゆる雑品スクラップ)が不適正に保管又は処分されることにより、火災の発生を含め生活環境上の支障が生じていることを踏まえ、使用を終了し、収集された機器(廃棄物を除く。)のうち、その一部が原材料として相当程度の価値を有し、かつ、適正でない保管又は処分が行われた場合に人の健康又は生活環境に係る被害を生じるおそれがあるものとして政令で定めるもの(有害使用済機器)の保管又は処分を業として行おうとする者(有害使用済機器保管等業者)は、あらかじめその旨を、当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事に届け出なければならないものとしました。(第17条の2関係)

有害物を含む使用済電気電子機器に関する現状
有害物を含む使用済電気電子機器に関する現状


エアコン室内機

エアコン室外機

洗濯機

掃除機

扇風機

炊飯器


金属スクラップへの混入が確認された使用済電気電子機器の例(左上から、エアコン室内機、エアコン室外機、洗濯機、掃除機、扇風機、炊飯器)(国立環境研究所寺園淳氏撮影)

親子会社による一体的処理の特例(自ら処理の拡大)(第12条の7)
親子会社による一体的処理の特例(自ら処理の拡大)(第12条の7)

[3]二以上の事業者による産業廃棄物の処理に係る特例
 二以上の事業者が一体的な経営を行うものであること及び産業廃棄物の適正な処理を行うことができる事業者であることに関する環境省令で定める基準に適合していることについて、都道府県知事等の認定を受けた場合には、廃棄物処理業の許可を受けずに、当該事業者間で産業廃棄物の収集、運搬又は処分を一体として行うことができることとしました。(第12条の7第1項関係)
 また、当該産業廃棄物についての各種行政処分の規定の適用については、当該認定を受けた者は一の事業者とみなされ、排出事業者責任を共有するものとしました。(第12条の7第4項、第5項関係)
 改正法は平成29年6月16日に公布されており、同日から1年以内の政令で定める日から施行されることとなります(電子マニフェスト使用の義務付けに係る規定については、同日から3年以内の政令で定める日。)。

 なお、廃棄物の不適正処理や有害使用済機器の適正な保管・処分等への対策を強化するため、今回紹介した廃棄物処理法の改正と合わせて、有害廃棄物等の越境移動(輸出入等)について定めたバーゼル法も改正しています。
 次回、Pick Up!No.265では、法制定から25年を経たバーゼル法の改正について取り上げ、循環資源の国際的な取引が増大していることで生じてきた有害廃棄物等の越境移動に関する様々な課題等の顕在化に対応するための制度的な措置等について、解説します。


(記事・図版:環境省環境再生・資源循環局廃棄物規制課)