環境庁(当時)の職員から大学教授へと華麗な転身を果たしたH教授が、環境にかかわる内外のタイムリーなできごとを、環境行政マンとして過ごしてきた経験に即して解説します。
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No. 第25講 「エイリアンを巡って ─外来生物法雑感」
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Issued: 2005.02.10
H教授の環境行政時評 (第25講 その3)
地方環境事務所誕生!

Aさん―えー、地区自然保護事務所がなくなるんですか。

H教授―そう。今、地区自然保護事務所は全国に11ある。一方、全国に9つの地方環境対策調査官事務所というのがあるんだけど、この2つを合体させて全国で7つの「地方環境事務所」という地方支分部局ができることになった。その代わりにボクの古巣、本省の水環境部が環境管理局に統合されて、「水・大気環境局」に改称されるそうだ。

Aさん―へえ、ついに地方支分部局か。センセイがスタートさせた国立公園管理事務所の「専決・ブロック制」(第7講その4)【7】は行き着くところまで行き着いたんですね。

H教授―え? ボクはそんなだいそれた構想なんて考えたことないよ、自分が楽をしたかっただけで。それに当時は新たに地方支分部局ができるなんて夢にも思ってなかったし。

Aさん―で、その所長ポストは地区自然保護事務所長、つまりレンジャーがなるんですか。
【7】 専決・ブロック制
第7講その4

H教授―地方環境対策調査官事務所長より格が高いから、とりあえずは地区自然保護事務所長が横滑りするんだろうなあ、将来はわからないけど。もっとも昔とちがって、指定職なんかじゃないし、そういう意味じゃランクもあがらないみたいだけどな。
そりゃあ、数人の部下しかいなかったかつての国立公園管理事務所長が、何十人という職員をもち、いくつもの課を持つ地方環境事務所長になるんだから、組織的にはすごいと思うけど、問題はこの事務所がなにをするか、できるかだね。

Aさん―ところで地方環境対策調査官事務所ってなにしているんですか?

H教授―地方環境情報の収集というのが主たる役割だったと思ったけどなあ。いまだからいうけど、ボクも行きたかった職場だったんだ。

Aさん―え? そんなおもしろい仕事なんですか。本省の貴重な情報源だったんだ。

H教授―うーん、ボクのいた課では、必要な情報のほとんどは県経由で先に入ってきたから、当時は盲腸みたいなものにしか思えなかった。で、そこにボクの同期が行ってたんだけど、ほとんど残業ゼロと聞いて、とってもうらやましかった。

Aさん―えー、いまじゃそんなことはないでしょう。

H教授―それでも地区自然保護事務所と同じフロアで隣り合わせのところなんか見ていると、その差は歴然としているみたいだよ。片っ方は毎晩残業で、片っ方は早々といなくなるらしいから。

Aさん―で、地方環境事務所の業務は地区自然保護事務所の業務プラス地方環境情報の収集ということになるわけですか。

H教授―マサカ。地区自然保護事務所の業務を2つの課で引き継ぐ以外に、新たに廃棄物担当の課や温暖化対策の課もできるみたいだ。

Aさん―具体的には?

H教授―さあ、いまその議論を環境省でやってる最中じゃないかな。とくに廃棄物は一廃は市町村、産廃は都道府県と権限がはっきりしているから、普及啓発や県域をまたぐ広域産廃の対応以外になかなか難しいんじゃないかな。
昔、マスコミがしきりに言ってた産廃Gメンなんてのは、本気でやるんなら警察からの出向職員を受け入れでもしないと、とてもじゃないけど難しいと思うよ。

Aさん―温暖化の方は?

H教授―さあ、まだ決まってないだろう。石油特会のカネがだいぶ増えたから、細々というか、いろんな業務が考えられると思うけどね。

Aさん―じゃ、自然保護2課だけが忙しくて、あとの課は毎日ぶらぶらなんてことになりかねないですね。
H教授―うん、そうならせないためにも、大胆に本省業務を出先に下ろす必要があると思うよ。
あとねえ、個人的な希望をいわせてもらえば、瀬戸内法(第10講)【8】を所管する瀬戸内室ってのが省庁再編前にはあったんだけど、この業務を担当する課を、ぜひ中四国の地方環境事務所につくってほしいね。

Aさん―ところで、いずれにせよ地方環境事務所は大都市に置くわけですね。

H教授―そりゃそうだ。いまの地区自然保護事務所も大都市に下りているところが多いけど、もっと徹底的になる。
一番古い国立公園管理事務所だった日光、箱根はいまではそれぞれ北関東と南関東の地区自然保護事務所ということになっているけど、こんどは関東地方環境事務所として統合されて、さいたま市に下りるみたいだし、上高地の入り口の島島という辺鄙なところにある中部地区自然保護事務所は、中部地方環境事務所として名古屋市に下りるみたいだ。
阿蘇にある九州地区自然保護事務所は熊本市に下りて、九州地方環境事務所になる。
いくつかの地区自然保護事務所は残るけど、それは地方環境事務所の出先になるそうだ。

Aさん―かわいそう、せっかくレンジャーになったのに大都会勤務じゃ。
【8】 瀬戸内法
第10講

H教授―だから現場はII種職員が中心になるんだろう。このままいくと、ほんとうに優秀で自然が大好きな連中はI種など見向きもせず、みんなII種として採用試験を受けるようにもなりかねないんじゃないかって危惧するよ。ボクだってII種を志望してたね。あるいはアクテイブ・レンジャーをね。

Aさん―はは、センセイはそうなってたらまちがいなく落ちてましたよ。だって植物のことも鳥のことも知らないんですもん。

H教授―...。
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