Aさん―センセイ、JRの事故から1ヶ月近いですけど、一向に開通しませんねえ。そりゃあ安全第一は当然ですけど、福知山線利用者の一人としては不便で困ります。
H教授―ボクだってそうだよ。大阪へはしょっちゅう行ってたし、上京するときだって、福知山線を使ってたんだ。亡くなられた方のご冥福、そして負傷された方の一日も早い快復をお祈りするとともに、こんな事故を二度と起こさないようにしなければならない。だけどそれと開通が遅れるのとはまた別だと思うよ。
Aさん―それにしてもJR西日本ってヒドイ会社だったんですねえ。事故後、いろんな不祥事が次々と明るみに出て、もうカッカですよ。
H教授―ま、JRの場合はいままで表沙汰にならなかった国鉄民営化の負の部分が一斉に噴出したということなんだろうけど、日本のマスメディアは「水に落ちた犬は打て」みたいなところがあるからなあ。ついこの間まで大阪市が袋叩きだったけど、一般の会社だって、大学だって、いざとなると似たようなことになるさ。
Aさん―JR西日本は当初、できるだけ早く再開なんて言ってましたけど、いったいどういうことなんですか?
H教授―新型ATSの設置が終わるまでまかりならぬって国土交通省からストップがかかって、6月いっぱいはダメみたいだ。でもそれもひどい話で、新型ATSのない線なんていっぱいあるのに、福知山線だけダメってのは、利用者イジメだよ。やむを得ない3〜5分間の遅れで運転手を責めるようなことは誰もしないと約束して、一日も早く再開する、そして一方では過密で過酷なダイヤ・スケジュールを見直すとともに、新型ATSの設置を急ぐという同時並行的な対応をなぜとれないか不思議だ。
もちろん利用者の方も、3〜5分間の遅れでジタバタしないようスローライフを心がけることだ。