環境庁(当時)の職員から大学教授へと華麗な転身を果たしたH教授が、環境にかかわる内外のタイムリーなできごとを、環境行政マンとして過ごしてきた経験に即して解説します。
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第31講 「アスベストのすべて」
H教授の環境行政時評第30講 「リサイクル戦線、浪高し」
第29講「目に青葉、山ホトトギス、MAY(迷)時評 ──水難事故、諫早干拓、レジ袋、フロン四題噺」
第28講「有機汚濁と水質総量規制」
第27講「道東周遊随想と愛知万博」
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No. H教授の環境行政時評第30講 「リサイクル戦線、浪高し」
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Issued: 2005.07.07
H教授の環境行政時評 (第30講 その1)
空梅雨と渇水

Aさん―センセイ、入梅したってのに一向に雨が降らないですね。このままだと渇水騒ぎが起きるんじゃないですか。

H教授―うん。ところで日本の平均降水量は1,500ミリを越している。これは世界平均の約2倍で、水の豊かな国だ。そこで問題。にもかかわらず渇水騒ぎが起きるのはなぜか。

Aさん―森林破壊、それに川岸をコンクリートで固めたこと...ですか?

H教授―ブー! キミ、こんなのは中学生だってわかるぞ。

Aさん―はあ?

H教授―平均降水量は世界の2倍だとしても、人口密度は世界平均の10倍だから、一人当たりにしたら世界平均の5分の1にしか過ぎない。おまけに降雨の季節変動が大きく、しかも急峻な地形だから降った雨の半分は洪水として海に流れてしまう。
だから、江戸時代から利水・治水は藩政の要とされてきたんだ。

Aさん―あ、そうか。しかも江戸時代よりも人口は数倍以上増えたうえに、戦後の都市化の流れで、人口が特定地域に集中したからですね。

H教授―うん、しかも高度経済成長の結果、水の使用量は増えた。われわれのライフスタイルにしたって洗車だ、内風呂だ、水洗トイレだ、洗濯だ、朝シャンだってね。
だから水資源開発ということで、至る所でダムを造り、自然と生態系を破壊してきたんだ。
でもこれからは水資源開発よりも人口分散、そして社会を節水型に変えることだね。雨水利用を図り、透水性舗装にして地下水を涵養する。そうすればヒートアイランド対策にもなる。キミも朝シャンなんてやめたまえ。

Aさん―じゃあ、センセイも洗車はやめて...。──あ、そうか、センセイはもともと洗車はしてないんですね。

H教授―うん、この9年間一度もしたことがない。

Aさん―ちょっとそれも行き過ぎなような...。
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■30講を迎えて
H教授―ところで今回は30講、2年半になるんだなあ。よく続いたよ。

Aさん―そうですねえ。これもひとえに読者のおかげですね。
でもセンセイ、もうネタ切れ、息切れじゃないですか。お歳もお歳だし。

H教授―トシ、トシというな、ここは田舎だ。

Aさん―ヒュー(サブイという意味らしい)。
30回記念ということで、なにをしゃべってきたか、それが今どうなったか、読者の反応はどうだったか、という話でいきませんか。

H教授―なるほどなあ、でもそれも結構面倒くさそうだぜ。それは次回にして、今回はいつもどおり最近の時評といこう。

Aさん―はいはい。ね、ね、その前に、30講記念に本として出版してくれるという話はないんですか。そんな投書も何通かあったじゃないですか。

H教授―(寂しそうに)EICは出版社じゃないし、出してくれるところもないみたいだ。ま、考えてみりゃ、ネット上で読めば無料だし、出てきた専門用語もすぐにリンクして参照できるというのが取り柄なんだから、当たり前かもしれないなあ。

Aさん―なーんだ。印税でお洒落しようかと思ったのに。

H教授―ムダ、ムダ。

Aさん―な、なんですって!

H教授―いやいや、キミはお洒落しなくてもキレイだっていう意味だ。

Aさん―そうですねえ。アタシもこの2年半で成人して、少女から水もしたたるいいオンナに成長したし、大学院にも入ったし、一方、センセイは還暦を迎えて歯が抜けて、糖尿になって、膝がいかれて...。

H教授―いい加減にしろ! 心にもないお世辞を言えば調子に乗って。キミだって随分とシミや小皺が目立ってきたぞ。

Aさん―な、なんですってー!!

H教授―人を呪わば穴二つ。ネオコンとイスラム過激派みたいなもんだ。

Aさん―はあ? またわけのわからないことを。

H教授―さ、さっさとはじめよう。前講以降、話題になったことをあげてごらん。
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