環境庁(当時)の職員から大学教授へと華麗な転身を果たしたH教授が、環境にかかわる内外のタイムリーなできごとを、環境行政マンとして過ごしてきた経験に即して解説します。
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第40講「50年、過去と未来 付:第三次環境基本計画」
第39講「PSE法騒動やぶにらみー付:プルサーマル&水俣病再説」
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第37講 「新春呆談」
第36講 「本時評の2年半を振り返る(その4)付:2005年環境十大ニュース」
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No. 第39講「PSE法騒動やぶにらみー付:プルサーマル&水俣病再説」
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Issued: 2006.04.06
H教授の環境行政時評(第39講 その1)

Aさん―センセイ、春です。春、もうすぐ桜が咲くわ!

H教授―昨日東京に寄ったんだけど、向こうじゃもう満開だったよ。お台場の一流ホテルの窓から見る桜は格別だったなあ。

Aさん―えー、センセイが一流ホテル? ウッソー。センセイは一泊一万円以下のオンボロビジネスホテルしか泊まらないって話を聞きましたよ。クルマは廃車寸前のもの、着るものはツルシの見切り品専用なんでしょう。

H教授―誰がそんなこと言ってたんだ!

Aさん―え? 違うんですか?

H教授―う、まあこの場合はボクが出したわけじゃないから。

Aさん―じゃだれが出したんですか。

H教授―聞いて驚くな。JALだ。

Aさん―へえ、どうしてまた。センセイなんて接待してもなんも見返りがないのに。

H教授―いちいちうるさいなあ。実は去年と同じく先週から道東に行ってたんだ。

Aさん―へえ、例の人妻とですね【1】。今年はどこを回ったんですか。

H教授世界遺産知床釧路湿原、サロマ湖などいろいろ回ってきたし、自然環境事務所の所長さんの話も聞いてきた。

Aさん―じゃあ、今回はその話ですね。

H教授―いやあ、貰ってきたいろんな資料などはまだ目を通してないから、次の機会にしよう。で、一昨日の夕方の便で女満別空港から帰るつもりだったんだけど、機体の不具合が点検で見つかったというので、2時間待たされた挙句、欠航。
もう関西便はないので、代替として羽田まで行き、JALが用意したホテルに泊まらされた。それが、「お台場の一流ホテル」ってわけだ。
で、翌朝伊丹まで飛んで、一日遅れで昨日帰ってきたんだ。

Aさん―へえ、儲けたじゃないですか。どうせ安売りチケットだったでしょうに。

H教授―冗談じゃない。早く帰って美生【2】を抱きしめたかったよ。
ただ、こういうことがあると飛行機会社の経済的それに精神的負担はバカにならない。結構怒り出す乗客がいて、何人もの社員が平身低頭して気の毒なくらいだ。
だから日常の整備点検がいかに大事かということだ。
キミもそうだ。いつまでもふわふわしているうちに、どんどん後輩に追い抜かれるぞ。
桜、桜と浮かれているうちにキミ自身が姥桜になりかねないから心することだ(お説教のつもり)。

Aさん―(キョトンとして)エツ、アタシが桜にですか。ふふ、なんかロマンテイックだな。

H教授―...。

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【1】 “例の人妻”との道東周遊記
第27講(その1)「道東周遊随想―世界遺産登録と海域保護」:
【2】 美生
ミオと読む。メスの老デブネコで、キョージュがこの世で唯一愛している存在らしい。
WBC狂騒曲

Aさん―ところでセンセイ、WBC【3】で日本が世界一になりました! トリノオリンピックは荒川静香以外総崩れでちょっと残念でしたが、ようやくその鬱憤が晴らせました。

H教授―うん、よかったな。ただし、優勝はしたが、世界一強いなどと自惚れないことだ。

Aさん―どうしてですか。弱ければ優勝なんかできなかったでしょう。

H教授―そりゃそうだ。弱くはないよ。ただ名実ともに世界一強いかどうかは、日本と米国、韓国そしてキューバ、ドミニカの5カ国間くらいでそれぞれ総当り10回戦くらい戦わなきゃわからない。

Aさん―なにが言いたいんですか。

H教授―リーグ戦じゃなくて勝ち抜き戦では、一番強いものが勝ち残るのでなく、強い中から運がいいものが勝ち残るんだ。
話は変わるが、進化のメカニズムは突然変異と自然淘汰だとされてきた。より強いもの、より繁殖力の強いものが栄えることによって進化してきたということだ。
でも最近の学説では、環境が激変したときに起る激烈な淘汰は、ただ強い個体や種、繁殖力の強い個体や種が生き延び栄えるんじゃない。個体差や種差がいろいろある中で、その激変した環境にもっとも適合した個体や種が残るとされている。
でも環境がどう変わるかなんて生物にとってはあらかじめ予測できるわけじゃない。つまりある意味じゃ運であり、偶然なんだ。
WBCの試合を観ながらそんなことをふっと考えた。

Aさん―センセイ、素直に日本が勝ったことを喜びましょうよ。
【3】 WBC(World Baseball Classic)
世界各地の野球強豪国が集った国別対抗戦。五輪に参加しない米メジャーリーグの選手たちも祖国を代表して参加することになり、注目を集めた。
参加国は、日本を始めとしたアジア勢4カ国、本場アメリカを中心とした北中南米地区の8カ国と、豪州や欧州、アフリカからの4カ国の計16カ国。リーグ戦・トーナメント戦を勝ち上がった日本(王貞治監督)が3月20日の決勝でキューバを破って、初代チャンピオンとなった。
MAJOR.JP | ワールドベースボールクラシック
World Baseball Classic powered by MLB

H教授―もちろん喜んださ。
でも一番喜んだのは米国が二次リーグで敗退し、準決勝からのトーナメント戦に米以外の4国が勝ち上がってきたことかな。もともと、このWBCは米国で企画・開催され、審判は全部米国人、組み合わせも米国が有利なようにセットされていたと囁かれている。
つまり米国が優勝して当然なような仕込がしてあったと思える不自然さがあった。デタラメで露骨な誤審もあっただろう?
そうした中での米国敗退だもの、思わずバンザイ!と叫んじゃった。

Aさん―センセイ、随分米国には手厳しいですね。

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イラク侵攻3年
H教授―なんでも自分の唯我独尊的な思い込みが通ると思うのは大間違いだ。
例えばイラクだ。
イラク侵攻から3年経った。あっという間のバクダッド陥落で、戦争は終わったと高らかに宣言したけど、治安は快復しなかった。地下のフセインのせいだというので必死に探索、ようやく逮捕したが、それから一年半たったいまも一向に情勢は好転しない。
米国としては巨額のカネがかかるから一日も早く撤退したいんだろうけど、このままじゃ撤退もできない。前門の虎、後門の狼ってわけで進退谷まったってところだろう。

Aさん―さっさと撤退しちゃえば?

H教授―本格的な内戦になるかもしれない。もともとイラクってのは民族や宗教などの統合軸のない人工国家なんだから。もっともフセインはそれを圧制の下とはいえ、反米をイデオロギー装置として統合していたんだから立派だといえば立派だ。
だから、内戦にならずにすむ唯一の方策があるとすれば、やはり統合のシンボルを考え出すことなんだけど、それはやはり当面「反米」イデオロギーしかないだろう。つまり自由民主主義型選挙で安定的な統一国家ができるとしても、それは反米が旗印になるしかないんじゃないかな。

Aさん―いっそのことフセインに弾圧されてたシーア派に露骨に肩入れしてシーア派主導の国にするってのはできないんですか。人口も多数派みたいだし。

H教授―そのシーア派はイランとツーカーだ。イランは反米を国是としてブッシュ政権と真っ向から対峙しているんだぜ。余計まずいだろう。

Aさん―...。

H教授―つまり革命は輸出できないんだということを知っておいた方がいい。

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