環境庁(当時)の職員から大学教授へと華麗な転身を果たしたH教授が、環境にかかわる内外のタイムリーなできごとを、環境行政マンとして過ごしてきた経験に即して解説します。
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第59講 『翼よ、あれがバリの灯だ! 付:拡大フィフティ・フィフティ』
第58講「アフリカの心、日本の心―サンコン氏との対談」
第57講「第三次生物多様性国家戦略案をめぐって」
第56講「上方環境夜話 付:回想―役所新人時代」
第55講「政治の空白に直面する環境政策―と標題だけは大げさに」
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No. 第58講「アフリカの心、日本の心―サンコン氏との対談」
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Issued: 2007.11.08
H教授の環境行政時評(第58講 その1)
防衛省を解体せよ

Aさん―センセイ、この1ヶ月間もいろいろありましたねえ。防衛省元次官の不祥事、相次ぐ食品表示の虚偽の発覚、サブプライムローン問題。他にもいろいろありました。
それにしても、あの防衛省の守屋って元次官はヒドイですね。

H教授―ああ、この時代にあんなのがまだいただなんで、ヒドイ話だよね。
ボクは今、小さな地方都市の市役所の倫理審査会の仕事もやらされているんだけど、相談の中には「人事異動で中学校のときの同級生が<利害関係者>になった。彼とワリカンで飲みに行くことは倫理規定に違反しないか」なんてものまであった。

Aさん―そんなことまで! いくらコンプライアンスの時代だからと言って、ちょっとやりすぎじゃないですか。それと較べて、この守屋って人のやったことは、ひどすぎませんか?

H教授―もちろんそうなんだけど、もっと気になるのは防衛省の体質だ。守屋某はあれだけ昔っからおおっぴらにゴルフ接待を受けていたんだから、防衛省中でも早くから広く知られていた話だと思うよ。
それが次官まで昇進して、大物次官と言われるようになったこと自体が問題だ。
歴代の次官だって注意してやめさせなきゃいけなかったのに、そうせず次官まで引き上げたというのは、代々似たようなことをやっていたと言われても仕方がないんじゃないか。
部下だって諫言できないまでも、もっと早くにマスコミか何かに内部告発があってもよかったのに、それが今までなかった。それだけじゃない、絶対に新聞やテレビでは言わないけど、防衛省の記者クラブの連中だって知っていたんじゃないかな。
つまり、同じ穴の狢が防衛省にはわんさか巣食っているんじゃないかと勘ぐりたくなる。
昔はともかく、今の中央省庁にそんな役所があるなんて、夢にも思わなかったな。

Aさん―ケーサツやケンサツも──中央ではどうか知りませんけど──、地方では似たようなことをつい最近までやってたんじゃないですか。

H教授―うーん、治安に深く関わっている役所ほど、上意下達が徹底している昔ながらの封建社会なんだよね。
あれじゃあ、シビリアンコントロールがどうのこうのと言ったって、信用されないよね。
マジメな自衛官が泣くよ。

Aさん―歴代の大臣は何をやってたんでしょうね。そんな噂ぐらいは聞いていたはずでしょう。

H教授―ああ、その通り。
まったく知らなかったとしたら無能そのもので、そもそも大臣になる資格がないし、聞いていながら役人と敵対したくないだとか、防衛庁の省昇格問題に差し障りがあるからといって、黙認していたとしたらもっと悪い。いや、中にはご相伴にあずかったのもいたらしいから、「なにをかいわんや」だね。
夫と一緒に進んで接待を受けたという守屋夫人だってどうかしているよ。彼女だって新聞くらいは読むだろう。自分の受けている接待ゴルフが世間の非常識、いや、犯罪だということに気付かなかったのかねえ。

Aさん―でもあの元次官は証人喚問では、接待だけで便宜供与はなかったと証言していますが。

H教授―ちょっと信じがたいが、仮に直接の便宜供与の指示がなかったとしても、某商社の某専務が大物次官とツーカーの仲だということは省内周知の事実だったんだ。だったらそれだけで、プレッシャーを感じたとしても不思議はない。部下連中は某商社から持ち込まれた案件なら、半ばムリ筋でもたいがいは通そうとしたんじゃないかな。
防衛省に骨のあるマトモな官僚がいれば、そもそも守屋某が次官に昇進することなんてあり得なかっただろう。

Aさん―これで守屋氏と対決した小池サンの評価がアップするんじゃないですか。

H教授―その時点で底なしの接待漬け疑惑を突きつければよかったけど、それもやらなかったんだから、大して評価できないねえ。
いずれにせよこの際、防衛省からもう一度防衛庁に戻せと言いたいよね。いや、それどころか一度解体して、出直しを図るべきだと思うよ。
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老舗よ、オマエもか! ──赤福

Aさん―ところで赤福に比内鶏と、相変わらず食品の不祥事が続いていますね。で、昨日(=30日)は船場吉兆までが発覚。なんだか、この世界ではモラルハザードが起きているんじゃないですか。

H教授―まあ、昔からいつだって似たような事件は起きているから、そう早々と断言すべきじゃないだろう。
ところでボクが関係しているある研究会で、「老舗」についての研究報告を聞いたことがある。いろんな老舗に対してアンケートやインタビュー調査を実施し、「老舗とはむやみに規模拡大を図らず、顧客第一、信用第一で、CSRなんてコトバがない時代から社訓としていわばCSRを実践してきたところで、だからこそ代々続いてきた」って結論だった。

Aさん―それがどうかしたんですか。

H教授―その老舗の典型例として挙げて、絶賛していたのが、例の赤福だった。

Aさん―へ?(絶句)

H教授―やはり外からいくらアンケートやインタビューしてみても、わからないものだなあと思ったよ。
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サブプライムローン
Aさん―ところで、米国のサブプライムローンの問題が、夏ぐらいから大きく取り上げられてますね。幸い日本への連動は大したことはなかったようですけど、ヨーロッパまで銀行の取り付け騒ぎが起こる騒ぎになりました。アタシャ、センセイと同じ経済オンチですからよくわからないけど、センセイもびっくりしたでしょう。

H教授―サブプライムローンってコトバ自体は知らなかったけど、中身はこの春から知ってたよ。

Aさん―え? ウソでしょう。

H教授―ウソじゃないよ。温暖化懐疑論者の田中宇氏が3月にブログで取り上げてて、それで知ったんだ。でも一向にマスコミが取り上げないから、また田中氏一流の偏見・独断・誇張かと思ってたんだけど、少なくともこれだけはみごとに的中した。
でも強力な情報網を持つマスコミなのに、一民間人より遅いというのはどういうわけだろう。
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時評1 水俣病与党プロジェクト対策案まとまる
Aさん―さあ、ぼちぼち環境絡みのニュースにいきましょうか。
水俣病の問題は何度か取り上げてきましたけど、与党プロジェクトの結論が出ました。
一時金150万円、療養手当て月額1万円で2つの被害者団体と概ね合意したそうです。これで政治決着といくんでしょうか。

H教授―第55講(その3)でも言ったように【1】、95年の政治決着と同じ結果になる可能性が強いと思うよ。拒否する団体がまだあって、訴訟になれば最高裁ですでに判例が出ているから、国側敗訴となるのは確実だ。
水俣病の認定基準を変更して、まず水俣病と認めることからスタートする以外はダメだと思うよ。もはやカネの問題じゃなくプライドの問題だと思うけどなあ。救済策というコトバ自体、使うのはやめるべきだと思うな。

参考:
 第45講(その2)「水俣病懇談会の提言」
 第40講(その2)「50年その1 ―水俣病、カネミ油症」
 第39講(その4)「水俣病再説」
 第28講(その1)「水俣病新救済策発表」
 第22講(その3)「時評4 ─水俣病関西訴訟最高裁判決」
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【1】 「水俣病の政治決着」に関する本講での話題
第55講(その3)「水俣病新救済案の行方」
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