環境庁(当時)の職員から大学教授へと華麗な転身を果たしたH教授が、環境にかかわる内外のタイムリーなできごとを、環境行政マンとして過ごしてきた経験に即して解説します。
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第75講「再生するか、国立公園」
第74講「化学物質対策の新展開―化審法改正」
第73講『当たるも八卦、当たらぬも八卦、新たな海域保護制度 ―付:ダーウィン生誕200年』
第72講『2009年霧中の旅―新春呆談』
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No. 第74講「化学物質対策の新展開―化審法改正」
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Issued: 2009.03.09
H教授の環境行政時評(第74講 その1)
麻生サン、風前の灯―中川財務大臣辞任

Aさん―センセイ、麻生内閣もいよいよ泥舟の体をなしてきましたね。

H教授―うん、不況はますます深刻化するうえ、麻生サンが郵政民営化はもともと反対だったと言ったり、財務大臣だった中川サンの泥酔会見もあって、支持率はもはや1割を割り込む勢いだ。ああなると麻生サンが気の毒になってくる。
外交で名誉挽回を図るつもりかも知れないが、オバマさんとは昼食も共にさせてもらえなかったらしいからなあ。

Aさん―コイズミさんは、麻生サンを酷評するだけでなく、例の定額給付金の補正予算案の採決には欠席すると公言しましたね。

H教授―今頃になってそんなことをいうのは卑怯だろう。それよりも、麻生サンに未来がないというのがはっきりしたというのに、それでもコイズミさんに誰も追随しなかったということの意味を考えるべきだろう。

Aさん―つまりコイズミ改革は完全に見限られたということですか。
そういえば、あのデタラメな「かんぽの宿」の売却問題だって、コイズミさんが元凶のようなものですものね。
日本郵政社長で、元銀行頭取の西川サンもあんまりじゃないですか。あれだったらまだ役人の天下りの方がマシじゃあないですか。

H教授―はは、それはわからない。ただ、官からの天下りを民からの天下りに変えただけで「改革した」って言われても、あのザマじゃあ、到底納得できないよねえ。

Aさん―麻生サンって、中川サンを当初庇ったりして、お友達に優しいことはわかりますが、KYと言われても仕方がないですね。

H教授―KY? ああ、空気が読めないということか。
でも、この件に関してはそれ以上に言っておきたいことがある。
中川サンがアル中気味で、過去にも何度も酒の上での失態を犯したことがあるらしいんだけど、あの国辱的な事件が外国メディアで報じられるまで、日本のマスコミはそんなこと一行も報道しなかった。あの呂律が回らない記者会見のときだって、その場では記者からはまったく抗議の声も挙がらなかった。いかに政治記者の連中がナアナアになっていて、ダメかというのがよくわかったね。

Aさん―それもそうですけど、なぜあんな状態なのに記者会見に臨むのを事務方は止めなかったんでしょうね。そちらの方が不思議だわ。

H教授―うーん、ひょっとすると中川サンは事務方とはあまりいい関係じゃなかったのかも知れない。だから事務方は失態を晒して失脚することを、むしろ望んでいたのかも知れないね。
でも、あれは確かG7のときの記者会見だったんだろう? 肝心のG7がどうだったかという報道の方が重要だと思うけど、そういう報道は、どっかに吹っ飛んでしまった。
日本のマスコミがいかにセンセーショーナリズムに毒されているかを物語っているね。
単年度予算に異議あり─直轄整備に負担金は不要か?

Aさん―麻生サンに──というか政府に対して──、地方の反乱も起きています。
国直轄の公共事業への、法で定められた自治体の負担金を拠出しないと(大阪府の)橋下サンが言ったら、他の知事たちも似たようなことを言い始めました。
で、政府与党はついに負担金なしの直轄公共事業というのを検討し始めたそうです。

H教授―住民が特に要望していないが、国にとってどうしても必要な事業だったら、当然そうすべきだと思うよ。
ただ、国にとって──「国土交通省にとって」じゃないよ──必要不可欠というわけではないが、国直轄でしか整備できないような事業で、それを住民が強く望んでいる場合はどうするかということだ。

Aさん―センセイのご意見は?

H教授―受益者となる住民が、たとえ一人1万円でも身銭を切る覚悟があるような事業なら、自治体が一定の負担をするからという形で、国に整備を求めるのは当然だと思う。
別に直轄事業じゃなくたって、国の補助事業だって同じだ。
問題は、現在のシステムが、国→県→市町村→住民という形で、一方的に事業や予算が上から決定してしまうことにあるんだと思うな。
間接民主主義がもはや機能不全に陥っていることの証左だろう。

Aさん―じゃ、どうすればいいと?

H教授―何らかの形で、直接民主主義的な手法を導入し、まず市町村が住民の声を聞いて予算案や事業案を策定し、それを踏まえて都道府県が予算案や事業案を決め、最後に政府が予算や事業を確定させて、こんどはそこから都道府県、そして市町村に下ろしていき、それぞれが予算案を修正するというようにすべきだろう。

Aさん―そんなことしたら、時間や手間が大変ですよ。決まった頃には、もう年度が過ぎてます。

H教授―だから、単年度予算というシステムがそもそもおかしいんだ。5年くらいのタームで予算編成を行うんでいいんじゃないか。最初の1〜2年で徹底的に議論して予算を決めりゃいい。

Aさん―バカいわないでください。その最初の1〜2年はなにもできないじゃないですか。

H教授―それは前の5年の予算の最後の1〜2年ということにすればいいだけの話だ。

Aさん―うーん、そうか。
でも下からの声を積み上げていくんだったら、無茶苦茶大きな政府になってしまうか、上に行くたびに大幅に予算が削られて、住民に不満が鬱積するだけですよ。

H教授―だからこそ、受益者負担原則が必要なんだ。住民自身も身銭を切らなきゃあならないとなったら、そんなことにはならないよ。一度やってみればいい。
国土交通大臣がストップをかけたって話題になった、広島県鞆の浦の埋立計画だって、地元じゃ埋立賛成派が一応は多数派みたいだが、事業費の0.5%でも住民負担にするということにしたら、果たしてどうなるかわからないよ。

Aさん―そううまくいくかなあ。
それと天災などの緊急時対応はどうすればいいんですか。

H教授―1割くらいは予備費として、あらかじめ留保しておけばいいじゃないか。
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