環境庁(当時)の職員から大学教授へと華麗な転身を果たしたH教授が、環境にかかわる内外のタイムリーなできごとを、環境行政マンとして過ごしてきた経験に即して解説します。
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第76講「低炭素革命雑感 ─附:漂着ごみの行方」
第75講「再生するか、国立公園」
第74講「化学物質対策の新展開―化審法改正」
第73講『当たるも八卦、当たらぬも八卦、新たな海域保護制度 ―付:ダーウィン生誕200年』
第72講『2009年霧中の旅―新春呆談』
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No. 第75講「再生するか、国立公園」
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Issued: 2009.04.07
H教授の環境行政時評(第75講 その1)
イチローの秘書逮捕起訴

Aさん―センセイ、景気対策とやらで、ETC搭載車には高速道路の運賃が大幅に値下げ、なんと千円になったそうですよ。麻生サンもたまにはイキなこと、やりますね。
カレとお花見にでも行ってこようっと。

H教授―何をバカなこと言ってるんだ。浮かれているんじゃない。少しは「考える」ということをしてみろ!
あんなことをやれば、鉄道やフェリーには大打撃だし、CO2対策から言っても、逆行甚だしい。しかも、一方の民主党はそれを批判するどころか、高速料をただにするなんて言っている。
まったくとち狂ってるな。グリーンニューディールとやらはどこへ行ったんだ!

Aさん―あいかわらずへそ曲がりですね。じゃあ、クルマを棄てりゃいいのに…。
でも、ホントに嬉しいこともありました。WBC(World Baseball Classic)で日本が連覇しました! 不調だったイチローですが、最後にやってくれましたね。

H教授―ボクは野球音痴なんだ。イチローはイチローでも、別のイチローの話をしよう。

Aさん―あ、そうか、小沢一郎サンの公設秘書が逮捕起訴されましたねえ。

H教授―うん、なんだか奇っ怪な事件だねえ。贈賄だの利得斡旋だのとおどろおどろしい怪情報が飛び回ったが、結局のところ政治資金規正法の違反だけ。政治家なら誰しもがやっていそうな形式犯に過ぎなかった。
要は小沢サンだけを狙い撃ちにしたということだろう。

Aさん―つまり民主党潰しの謀略だと?

H教授―ホントのところはわからないが、きわめて意図的で、小沢サン潰し、あるいは民主党潰しが目的だと、言われても仕方がないだろう。
ただ、誰が仕掛けた謀略かはネット上では諸説紛々だ。麻生内閣周辺だとか、規制緩和派だとか、霞ヶ関上層部だとか、果ては米国説までもあるし、シンプルなところでは田中角栄以来の田中派に対する検察の怨念の総仕上げだなどという説もある。
で、だらしないのがマスコミ。検察批判なんてほとんどやらないもんなあ。

Aさん―謀略であろうと、なかろうと、違法は違法でしょう。

H教授―そりゃそうだが、恣意的すぎるだろう。だったら、まずはウヤムヤなままに終わった検察ウラガネの真相を自ら明らかにしてからにしてほしいね。
小沢サンは政官界のドロドロした裏の裏まで一番知っている政治家だ。
徹底抗戦もいいけれど、この際、すべて暴露して政界を引退するという選択肢もあるかもしれない。

Aさん―いずれにしても、これで民主党はイメージダウン。政権交代は遠のいたとして、早期解散なんて話まであるそうですね。

H教授―民主党には痛手だろうが、だからといって自民党の人気がアップしたわけでもないだろう。二階サンの変な話だってあるし、「かんぽの宿」疑惑だって未解明なままだ。政治不信層が増えるだけじゃないかな。

Aさん―やれやれ、米国でオバマさんを一気に盛り立てたような動きは、日本ではないんですかねえ。

H教授―まったくだね。米国だけじゃないよ、フランスだって既成政党に飽き足りない国民の間で、弱冠34歳、年収200万円の郵便局員ブザンスノーを先頭とするNPA(反資本主義新党)が、すごい人気を集め、既成政党を脅かしているそうだぜ。
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米国はどこへいく──

Aさん―その米国ですが、破綻して公的資本の注入を受けた米国最大の保険会社AIGが、幹部社員に目ン玉の飛び出るような高額ボーナスを支給したといって、国民の怒りを買っているそうですね。1億円を越すボーナスをもらった幹部がぞろぞろだそうですから、呆れちゃいますね。

H教授―ああ、しかもそれを、破綻の原因をつくった戦犯たちが受け取ったそうだからな。
もっともオバマさんも、対立候補だったマケインさんも、議会でAIG批判を声高に叫ぶ議員たちも、AIGからの政治献金を受けている。
実は高額ボーナスについては、AIGだけじゃなく、欧米の金融機関なども軒並みそうらしい。
モラルだとか「恥」なんてコトバは、あの世界ではとっくに消えたみたいだな。日本は何だかんだいっても、あそこまではひどくはない。

Aさん―米国政府はAIGの高額ボーナスのことを知らなかったそうですね。

H教授―そんなことありえないだろう。オバマさんはともかくとして、当局が知らなかったはずはない。法的に拒否できないからと静観していただけだろう。契約がすべてに優先する社会というのは、やはりどこかおかしいね。

Aさん―で、米国のグリーンニューディール政策はうまくいっているんですか。太陽光パネルが急速に普及して、失業者対策としても機能しているとテレビでやってましたが。

H教授―カリフォルニア州の話だね。オバマさんはよくやっていると思うし、グリーンニューディールで頑張ってほしいけど、米国経済の凋落は依然続いていて、ドルが崩壊して基軸通貨から転落するだろうなどと田中宇氏は予測している【1】
田中氏は温暖化陰謀論者で、その点はまったくナンセンスなんだけど、サブプライムローンから始まる経済危機については、その半年も前からドンピシャと当てただけに気になるところだ。

Aさん―ドルが基軸通貨でなくなればどうなるんですか。

H教授―さあ、見当もつかない。世界が基軸通貨なしの金本位制になるなど、想像するだに怖ろしい。
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【1】 
田中宇氏、米国経済の凋落を予測
時のアセス制度のアセスを

Aさん―ところでセンセイ、以前「時のアセス」をやるべきだとおっしゃってたでしょう【2】。でも、3月20日付の朝日新聞によると、97年に北海道で導入、98年の国の通達で全国の都府県でも導入されています。「公共事業再評価制度」というそうですけど。

H教授―うん、そうらしいね。でも、この再評価制度で中止・休止になった事業はわずか2%にとどまっている。つまりほとんど機能していないということだ。

Aさん―どうしてそうなるんですか。

H教授―白紙諮問じゃなくて自治体の継続か中止・休止かという方針案に対しての諮問であること、その自治体の方針案を作成するのは当該事業の企画・実施部局であることがすべてだろう。泥棒に警察の役割をさせている限り、そうなっちゃうよ。
2%ってのは、「時のアセス」の結果そうなったんじゃなくて、何らかの事情で、事業部局自体が中止・休止の方針を出したところなんだろう。
ボクの言っている「時のアセス」とは似て非なるものだ。
こうなると「時のアセス」と称するもののアセスが必要だね。
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【2】 時のアセスの導入について
第71講(その3)「「時のアセス」を考える ──泡瀬干潟埋立に画期的判決」
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