環境庁(当時)の職員から大学教授へと華麗な転身を果たしたH教授が、環境にかかわる内外のタイムリーなできごとを、環境行政マンとして過ごしてきた経験に即して解説します。
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第80講「政権交代と環境政策」
第79講「新たな政策形成回路創出に向けて―わが国の政権運営の行方は」
第78講『日本政府、「中期目標」決定』
第77講「後退する氷河と増大する氷河湖決壊の危機」
第76講「低炭素革命雑感 ─附:漂着ごみの行方」
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No. 第79講「新たな政策形成回路創出に向けて―わが国の政権運営の行方は」
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Issued: 2009.07.30
H教授の環境行政時評(第79講 その4)
異動の季節

Aさん―これから9月まで政治空白が続きますね。日本が出遅れないか心配だわ。いっそのこと全世界が夏季休暇に入ればいいのに。
ところで、民主党政権登場に備えて、多くの省庁では次官以下の人事異動があり、民主党シフトを敷いたそうですね。環境省もそうなんですか。

H教授―環境省も異動があり、事務次官以下変わったが、ボクも環境省の内部情報に疎くなったので、それが民主党政権登場に備えてのものかどうかはわからない。

Aさん―ダメじゃないですか。センセイの取り柄は、環境省の内部情報くらいしかないのに、それもなくしたんじゃどうしようもないじゃないですか。

H教授―ゴメン。ん? なんでキミに謝らなくちゃいけないんだ。
ただねえ、幹部人事がもはやOB人事とは連動しなくなったみたいなんだ。ワタリが事実上禁止されたというのもあるし、環境省関係では、天下り先で現給の7〜8割も出してくれそうな外郭団体がそもそも少なくなってきているということなんだろう。
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夏の課題、秋からの見所
Aさん―うーん…。
ところで、今度の解散で低炭素社会基本法は流れてしまいましたね。
H教授―まあ、元々与党と民主党と2つの案が出てきていて調整もできなかったらしいから、仕方ないだろう。すべては9月以降だ。
また「環境保全活動・環境教育推進法【7】の改正は与野党の意見が一致したにもかかわらず、時間切れ廃案になるようで、少し残念。環境行政へのNGOの参加、対等な立場でのNGOの協働取組の推進等を盛り込もうとしていたようだが、9月以降に再提出するんだろう。
あと、第76講(その4)で触れた漂着物処理法【8】は成立したそうだし、中身は知らないけど土壌汚染対策法改正も成立したそうだ。
【7】 環境教育推進法
第8講(その3)「環境教育推進法の成立」
【8】 漂着物処理法
第76講(その4)「地域環境保全基金と漂着ごみ対策」

Aさん―いよいよ8月ですね。政局は総選挙一色でしょうが、役所の方はそうは言ってられないでしょう。司令塔不在の中でもいろいろ準備もしなければいけないんじゃないですか。

H教授―とりあえずは年末のCOP15【9】に向けて、どう対応していくかというのがあるよねえ。
オバマさんの人気がここに来て下降気味というのも少し気になるし、中国もウイグル族の暴動以降、少数民族対応に追われ温暖化対策は後回しというところかもしれない。
なにより日本だって、世論調査では温暖化問題はほとんど選挙の争点に挙げられていない、というのが悲しいけれど、ポスト京都がどうなるかを無視はできない。

Aさん―もうひとつのCOPもあるんじゃないですか。
【9】 年末のCOP15
第73講(その2)「EUの温暖化対策提案」

H教授―うん、来年の名古屋での生物多様性条約COP10だ。これに向けて環境省は生物多様性国家戦略の見直しをすでに審議会に諮問した。ま、見直しといっても根拠規定を変える──つまり、今までの国家戦略は閣議決定だったんだけど、生物多様性基本法に基づくものに変える──というだけらしく、本格的な第4次国家戦略はCOP10を受けて考えるということのようだけどね【10】
ボクとしては、生物多様性基本法第25条にあるSEAの具体化具現化を期待したいんだがなあ【11】
でも、いまだに泡瀬干潟埋立【12】みたいなことをやっているようじゃあ、COP10も何もないだろうと思うけどな。

Aさん―まあ、そんなところですかねえ。
そしてセンセイの夏の課題です。ニコチン切れの禁断症状をいかに克服するか!

H教授―キミは「恋の禁断症状をいかに克服するか!」だろう

AさんH教授―フン!!
【10】 生物多様性国家戦略の見直し
第49講(その3)「生物多様性保全を巡って」
第57講(その3)「第三次生物多様性国家戦略案まとまる」
【11】 生物多様性基本法とSEA
第65講(その4)「生物多様性基本法成立」
【12】 泡瀬干潟埋立
第71講(その2)「「時のアセス」を考える ──泡瀬干潟埋立に画期的判決」

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(平成21年7月27日執筆 同月30日編集了 8月4日一部修正)
註:本講の見解は環境省およびEICの見解とはまったく関係ありません。また、本講で用いた情報は朝日新聞と「エネルギーと環境」(週刊)に多くを負っています。
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