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環境ニュース[国内]

気象庁、北西太平洋における表面海水中の二酸化炭素の増加と海洋酸性化の進行を確認と発表

地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2017.02.21 【情報源】気象庁/2017.02.20 発表

 気象庁は、海洋の二酸化炭素の吸収と海洋酸性化の進行について、新たに月別の解析値を計算して季節変化を含む長期変化傾向を解析した結果、表面海水中の二酸化炭素の増加と海洋酸性化の進行をあらためて確認した、と発表した。

 海洋は、人間活動によって大気中に放出された二酸化炭素(CO2)の約30%を吸収し、地球温暖化の進行を緩やかにする働きをしている。一方で、CO2の吸収の進行により、こうした働きに変化が生じることが懸念されており、海洋によるCO2の吸収とそれにより引き起こされる海洋酸性化を監視することは、地球温暖化の将来予測精度の向上とともに、今後の緩和策と適応策の策定にとって重要とされている。

 気象庁はこれまで北西太平洋の冬季だけの観測データに基づき海洋のCO2の吸収と海洋酸性化の進行の長期変化傾向を確認してきた。今回、全季節の観測データを用いた解析手法を開発し、表面海水中のCO2及び水素イオン濃度指数pH)の月別の解析値が得られるようになった。この解析値を用いて季節変化を含む長期変化傾向を解析した結果、表面海水中のCO2の増加と海洋酸性化の進行をあらためて確認することができた。

 気象庁が実施している長期間継続的な海洋観測は世界でも類がなく、海洋の長期変動を把握する上で非常に重要なデータとなっている。今回の診断結果が地球温暖化予測モデルの再現性の検証に使用されることで将来予測の不確実性低減に貢献することが期待される。

 今後も北西太平洋域での高精度な観測を継続し、二酸化炭素や海洋酸性化に関する監視情報を気象庁ホームページ「海洋の健康診断表」を通じて、提供していく。

 海洋の健康診断表ホームページは以下のURLとなる。
  http://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/shindan/index.html

【気象庁】

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