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環境ニュース[国内]

日本製紙、セルロースナノファイバー強化樹脂の実証生産設備が完成、稼働開始

エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2017.07.19 【情報源】企業/2017.07.12 発表

 日本製紙が富士工場(静岡県富士市)に建設した、環境配慮型先端素材のセルロースナノファイバー(CNF)を使った「CNF強化樹脂」の実証生産設備が6月末に完成し、稼働を始めた。CNFを樹脂に混ぜて練り合わせて製造する。自動車、建材、家電など幅広い分野での利用が期待される。今後、量産化に向けて製造技術の確立を推進する。

 CNFは、木を構成している繊維をナノ(100万分の1mm)レベルまで細かくほぐしたバイオマス素材で、植物繊維由来のため生産・廃棄に関する環境負荷が抑制できる。軽量で変形しにくいなどの特性を持つ。ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロンなどの樹脂に混ぜることで樹脂の強度を高められる新しい素材として注目されている。

 稼働開始した実証生産設備は、年間10t以上のCNF強化樹脂が生産できる。自動車業界をはじめ、さまざまな業種にサンプルを提供して用途開発を加速させる。日本製紙は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトに参画してCNF強化樹脂の開発に取り組み、その知見を基に実証生産設備を設けた。

 日本製紙は、用途に応じたCNFの製造技術と本格的な供給体制の早期確立を目指している。パルプが解繊しやすく均一な幅のCNFが得られる方法の量産設備を4月に石巻工場(宮城県石巻市)で稼働させた。世界最大級の500tの年間生産能力がある。9月には江津工場(島根県江津市)に食品や化粧品など添加剤用途の量産設備が完成する。

【日本製紙株式会社】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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