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環境ニュース[国内]

チッソ石油化学五井製造所で、国に報告していない劣化ウラン入り廃触媒を発見

エネルギー 原子力】 【掲載日】2005.06.20 【情報源】文部科学省/2005.06.16 発表

 千葉県市原市にあるチッソ石油化学(株)五井製造所で保管されていた、劣化ウランを含む廃触媒に関する情報が、平成4年以降、国に報告されていなかったことが同社が平成17年6月16日に文部科学省に行った通報で判明した。
 同社は、昭和44年7月に核燃料物質の使用許可を得て、合成ガス製造用の触媒として劣化ウランの使用を開始したが、その後劣化ウランを含まない触媒が開発されたことから、この触媒の使用を中止。
 残った触媒は廃触媒としてケミカルドラム缶に入れ、放射線理区域にある専用倉庫に保管するとともに、この保管措置を含む「核燃料物質使用廃止届」を昭和47年11月に科学技術庁へ提出。届けが受理された後も平成3年までは、毎月1回専用倉庫の側壁表面などの放射線量測定結果を科学技術庁に自主的に報告していた。
 平成4年以降報告が行われていなかったことは、17年2月に文部科学省が全国の放射線障害防止法対象事業所に、放射線管理区域内外に長年放置されている放射性同位元素などがないかを点検し報告するよう通知したことに対応し、同社が社内を調査したことにより、確認されたもの。 
 保管されている廃触媒は、ポリエチレン樹脂製の内筒を鋼製ドラムで外装した200リットルのケミカルドラム33本に収納され、総量は7,650キログラム。うち劣化ウランは765キログラム含まれている。 
 なお、通報を受けた文部科学省が職員1名を現地に派遣し調べた結果では、廃触媒は同社放射線取扱主任者の指導の下、放射線管理区域内の施錠された専用倉庫内に保管されていたが、専用倉庫の側壁表面の最大放射線量が1時間あたり0.64マイクロシーベルトと比較的高かった。
 このため、文部科学省は放射線量が安全上問題がないレベルである専用倉庫の側壁表面から約5メートルまでの区間を立入制限するよう指導。さらに保管にあたって法令に基づく技術基準を遵守すること、核燃料物質の譲渡に関する管理を強化するために、改めて核燃料物質の使用許可を受けるよう同社に指導した。【文部科学省】

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