アスベスト含有廃棄物の溶融無害化処理の実証試験結果を公表

【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2006.06.29 【情報源】環境省／2006.06.29 発表

　環境省は平成１８年１月から３月にかけ、全国の３施設で実施していた、アスベスト含有廃棄物の溶融無害化処理の実証試験結果を１８年６月２９日に公表した。
　廃アスベスト成形板など、アスベストを含有する廃棄物は現状では最終処分場への埋立処分が主となっているが、産廃最終処分場の残余容量が逼迫している上に、建築物の解体増加に伴う非飛散性アスベスト廃棄物の排出量増加が見込まれる現状では、高温での溶融処理など、埋立処分以外の処理方法を確立する必要性が大きくなってきている。
　今回の実証試験は、（１）北九州市の新日本製鐵（株）プラント・環境事業部の実験用施設であるシャフト炉式ガス化溶融炉（日処理能力：２０トン）にアスベスト成形板・アスベスト含有家庭用品を投入し、１，５００℃超で溶融処理した場合、（２）（株）広島県福山市の（株）カムテックス産業廃棄物溶融施設（日処理能力：６０ｔ）に廃石綿やアスベスト成形板を投入し１３５０℃程度で溶融処理した場合−−のそれぞれの無害化状況、（３）京都府舞鶴市の日立造船（株）環境総合開発センターの実験用施設である低速破砕機・高速破砕機にアスベスト成形板を投入し、破砕した場合の発じん状況・集じん機によるアスベストを含む粉じんの捕集効率の確認を行ったもの。
　実施結果としては、３施設いずれもで、敷地境界・一般環境へのアスベストの影響が見られなかったと報告されたほか、（１）（２）の施設では無害化処理後物にもアスベストが検出されなかったとしている。
　また（３）の破砕試験では、バグフィルターがアスベストを含む粉じんを高効率で捕集したことが確認された。【環境省】