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環境ニュース[国内]

東海第2発電所、伊方3号機に関する告発情報計2件の調査結果公開

エネルギー 原子力】 【掲載日】2007.01.30 【情報源】原子力安全・保安院/2007.01.29 発表

 原子力安全・保安院内に設置された「原子力施設安全情報申告調査委員会」は平成19年1月29日付けで、原子力施設に関する告発情報2件に対する調査結果を公表した。
 「原子力施設安全情報申告調査委員会」は関係者の内部告発がきっかけとなり、原子力発電所の自主点検記録についての一連の不正が発覚したことを受け設置された組織。外部専門家により構成され、保安院に寄せられた個々の告発情報の対応方針を決める権限を持つとともに、この方針に基づいて保安院の担当官が行った調査内容が適切であるかチェックを行うことになっている。
 今回公表された告発情報は18年12月20日から19年1月29日までの間に裏付け調査が完了した案件。
 告発情報のうち1件は、18年8月5日に匿名の電子メールで情報が寄せられたもので、日本原子力発電(株)東海第2発電所のジェットポンプ計測用配管(注1)が、ひび割れ予防措置として実施した高圧水吹き付け(WJP法)により破断している可能性があるとしている。
 「原子力施設安全情報申告調査委員会」の調査結果によると、18年11月18日から開始された東海第2発電所第22回定期検査で、ジェットポンプ計測用配管2本の破断、1本のひび割れ、破断していた配管のうち1本と他の3本の計測用配管の溶接部の破断またはひび割れが確認されたが、この内容は18年12月28日付けで日本原子力発電から保安院に報告ずみ。
 今回の定期検査で、破損、ひび割れが認められた計測用配管の補修、共振発生防止対策が実施されたこと−−などから、委員会は安全上の問題、保安規定への違反、法令違反は認められなかったと結論。また日本原子力発電が計測用配管破断の原因を、再循環ポンプ電動機の試運転で再循環流量制御弁(注2)に通常運転時にはみられない大きな振動が発生し、計測用配管が共振を起こしたためと分析していること、日本原子力発電が模型を使った試験を実施した結果、他の要因によって相当な損傷を受けていた場合を除き、WJPだけで計測用配管のき裂発生の原因はならないという結果が出たことを事実関係としてあげ、この日本原子力発電の報告に「問題となるものは認められなかった」としている。
 もう1件の告発情報は、18年11月30日に電話で情報が寄せられた案件で、四国電力(株)伊方3号機建設時の平成5年1月末から2月にかけ、純水装置建屋内の消火ポンプ試運転時に発生した火災を四電が報告しなかったと指摘するもの。
 この案件に対しては、平成4年11月、電動消火ポンプとディーゼル駆動消火ポンプとの連携チェックを行った際に、電気配線が焼損した事実が確認されたが、「原子炉規制法などで報告が求められる事象ではなく、安全上、法令上の問題はなかった」という結論がまとめられている。

(注1)ジェットポンプは原子炉内の冷却水を循環させる回転部を持たない静止型のポンプ。その計測用配管はジェットポンプの外側にとりつけられ、ジェットポンプ入口部と出口部の圧力差を測定することにより、ポンプ内の流量を計測している。
(注1)原子炉再循環ポンプにより循環されている原子炉冷却水の流量を調整する弁。国内では東海第2発電所のみに設置されている。【原子力安全・保安院】

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