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環境ニュース[海外]

中国 自動車用ガソリン低硫化へ 2010年150ppmガソリン硫黄基準を全面実施

大気環境 交通問題】 【掲載日】2007.05.29 【情報源】中国/2006.12.14 発表

 中国は2009年12月31日より全国で硫黄含有量150ppmの無ガソリンの使用を普及させる。現在使用されている硫黄含有基準500ppmの無ガソリンと比べ、新しい無ガソリン基準の実施は環境に対し大きな成果が得られるのは明らかである。
 先日、中国国家環保総局と米国EPAが共催した「第2回自動車汚染規制国際シンポジウム」の中で、国家環保総局汚染規制司の李新民副司長は以下のように述べた。2000年の初め、中国政府はガソリンの淘汰に成功した。2005年7月、国家環保総局と米国EPAは共同で中国ガソリン石油低硫化を推進した。この事業は現在大きく進展し、改定版「自動車用無ガソリン」基準を間もなく公布する。新基準では硫黄含有量の低下、蒸気圧の規制水準の向上を定め、南方都市での光化学スモッグ発生を抑える。
 中国の無ガソリン硫黄含有量は2000年に800〜1000ppmであったが、2005年7月1日には500ppmまで引き下げた。北京市では国III(ユーロIII基準に相当)排出基準の繰上げ実施のため2005年7月1日より以前の500ppmから150ppmまで前倒しで引き下げた。新しい中国ガソリン国家排出基準(GB17930-2006)は今年末に国家品質監督検査検疫総局により公布され、2009年末までに中国全土で硫黄含有量500ppmのガソリンを淘汰していく。
 現在、中国では国IV(ユーロIV基準に相当)車用ガソリン基準の制定が急がれているが、一方では石油化学部門に十分な準備の期間を設けている。環保総局自動車汚染規制センターの湯大鋼主任は2008年7月1日に国IVガソリン基準を公布し、2011年7月1日に硫黄含有量150ppmのガソリンとエタノールガソリンの販売を停止することを提言した。それ以外にも、今回の新基準は、夏季の蒸気圧引き上げを求め、国IV基準制定時の同指標の厳格化も求めた。
湯主任によると、現在、中国では燃料浄化剤と添加剤に関する管理法規がなく、国家環保総局がこの分野の担当政府機構になるべきである。市場でのガソリンとエタノールガソリンの品質規制と管理をさらに改善するため、ガソリン、ディーゼル油に関する特別技術管理機構を設置し、管理資金の投入を増やすべきであるとしている。
 自動車用燃料クリーン化によって硫黄含有量低下を目指すが、原油硫黄含有量は高まるばかりであり、燃料クリーン化は原油低質化の挑戦に対応できなければならない。中国国内の原油資源は少なく、輸入依存度は絶えず増えている。世界で供給量を増やせる原油の大部分は高硫黄濃度の原油、重質原油であり、原油資源の品質は除々に劣化している。例えば1999年中国の輸入原油量は3413万トン、平均硫黄含有量は0.17%であったが、2005年には原油輸入量1.05億トン、平均硫黄含有量は1%であった。2006年1月〜10月では原油輸入量9163万トン、平均硫黄含有量は1.11%であった。
中国では現在、第3段階(ユーロIII基準相当)排出基準を満たす新型車4405車が発表され、そこにはOBD搭載型新車663種が含まれている。これら新車の発表は中国で2007年7月1日に全面実施される軽自動車国III基準に十分な準備の期間を与えるためである。
2007年1月1日から、自動車用圧燃式、気体点燃式エンジンと自動車排気ガスに関する第3段階排出基準と環境生産一致性検査が同時に実施される。軽自動車に対し、国家基準第3段階排出限界値、環境生産一致性検査と5年または8万km走行した自動車の一致性検査を来年7月1日から全国で実施する。また2007年1月1日より、北京市では軽型ディーゼル車に対する第4段階排出規制を実施する。【中国環境報】

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