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環境ニュース[国内]

石綿の健康影響に関する2つの報告書を公表

健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2008.06.16 【情報源】環境省/2008.06.13 発表

 平成20年6月4日に開催された第14回「石綿の健康影響に関する検討会」で、「大阪府・尼崎市・鳥栖市・横浜市・鳥羽市・奈良県における石綿の健康リスク調査報告」、「被認定者に関するばく露状況調査報告」の2つの報告書がまとめられ、20年6月13日に公表された。
 大阪府・尼崎市・鳥栖市・横浜市・鳥羽市・奈良県における石綿の健康リスク調査では、一般環境を経由した石綿ばく露による健康被害の可能性があった6地域において、石綿ばく露の可能性があったと申し出て調査への参加希望者を対象に問診、胸部X線、胸部CT検査を実施。石綿ばく露の地域的広がりや石綿関連疾患の発症リスクに関する実態を把握。
 その結果、調査対象となった受診者数は、6地域合計で1,814人であり、このうち3地域で実施された18年度調査を受診した者は405人であった。
 1,814人のうち、労働現場等と関連しているばく露歴が確認できる者は1,011人(56%)で、労働現場等と関連しているばく露歴が確認できない者は803人(44%)であり、これらの者はいずれの地域においても一定以上いることが判明した。
 石綿ばく露特有の所見である胸膜プラークが見られた者は、労働現場等と関連しているばく露歴が確認できる者1,011人のうち343人(34%)であり、労働現場等と関連したばく露が確認できない者803人のうち144人(18%)でした。この割合は、羽島市、大阪府泉南地域等、尼崎市で比較的高い値を示した。
 肺線維化所見である胸膜下曲線様陰影や肺野間質影が見られた者は、 労働現場等と関連したばく露歴が確認できる者1,011人のうち実人数で69人(7%)、労働現場等と関連しているばく露歴が確認できない者803人のうち実人数で34人(4%)であり、奈良県、大阪府泉南地域等、尼崎市において比較的多数見られました。 これらの者については、今後より詳細な調査を行うとともに、引き続き本調査へ参加してもらい、データを集積するとしている。
 被認定者に関するばく露状況調査では、救済法に基づく平成18年度の被認定者等(医療費対象者799人、施行前死亡者(弔慰金)1,590人 計2,389人)を対象として、過去の職歴や居住歴を集計して全国的な石綿ばく露の状況を把握する調査が行われ、ばく露分類別集計を行った結果、医療費グループと弔慰金グループとも職業ばく露の可能性のある者の割合が半数を超えていた。また、被認定者の職業歴について、産業分類別集計を行った結果、医療費グループと弔慰金グループとも製造業、建設業、卸売・小売業の従事者が多かった。
 被認定者の昭和20年〜平成元年の間の最長居住地について住所別集計を行った結果、医療費グループと弔慰金グループともに被認定者が最も多かったのは都道府県別では兵庫県であり、市区町村別では尼崎市であったと判明した。【環境省】

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