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環境ニュース[国内]

米IBM、海水淡水化や湾岸域の環境影響評価する研究プロジェクトを支援

環境一般 CSR】 【掲載日】2010.09.24 【情報源】/2010.09.16 発表

 米IBMは非営利活動「ワールド・コミュニティー・グリッド」による世界各地の水問題研究プロジェクトを支援する。世界中のボランティアが提供する150万台のパソコンを使って、米国、中国、ブラジルで、多くのステークホルダーがかかわる地域の環境影響評価や海水の淡水化、水のろ過、感染症治療などを研究する。

 ワールド・コミュニティー・グリッドは、インターネット上のコンピュータを結びつけて1つのシステムとして使う仕組み「グリッド・コンピューティング」の環境を構築し、人類の脅威となる医学や化学などの課題の研究に提供する活動のことだ。参加を希望する一般ユーザーはそれぞれ、自分のパソコンに専用ソフトウエアを導入する。各パソコンの余っている計算能力を活用して、世界最速のスーパーコンピュータに匹敵する計算能力を実現する。

 米国でのプロジェクトでは、人間と生態系の活動が米国・西海岸のチェサピーク湾流域に与える影響を調査で、バージニア大学が実施している。利害が対立することが多い漁師、農家、不動産開発業者、発電所設計者、自然保護活動家、森林専門家、都市開発業者の行動を予測し、それぞれの行動が相互に関係することで生じる結果を分析。湾の流域を地域社会でより効果的に管理する方法を探る。

 中国では、汚染された水をろ過して不純物を取り除く技術と、低コストで海水を淡水化する技術を開発。清華大学が進めている。ナノメートルサイズの微細な穴に水を通すために必要な圧力と電力を減らす方法を調べる。ブラジルのプロジェクトは、汚染水を通して寄生虫が感染する「住血吸虫症」と呼ぶ疾病の治療法を研究する。寄生虫の影響を受ける180個のタンパク質構造とデータベースに登録された1300万の化合物と照合し、新薬開発の足掛かりにする。

 米IBMは、2009年3月からIT(情報通信)技術を使って、世界各国で水資源問題への取り組みを支援してきた。今回のプロジェクトもその一環である。グリッド・コンピューティングのためのサーバーやソフトウエアをワールド・コミュニティー・グリッドに寄付するとともに、基盤開発のノウハウなどを無償提供する。

提供:ECO JAPAN(日経BP社)

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