アメリカ環境保護庁、スマートグロース賞の受賞プロジェクトを発表

【エコビジネス 環境と経済】 【掲載日】2010.12.14 【情報源】／2010.12.01 発表

　アメリカ環境保護庁（EPA）は、持続可能な地域社会への取組を支援する、全米スマートグロース達成賞5部門の2010年度受賞プロジェクトを発表した。この賞は、環境を守り、経済を発展させ、住民の生活の質を高める取組を表彰するもので、EPAはスマートグロース制度を通じ、助成金や技術的支援のほか、研究、事例紹介、パートナーシップ構築などにより、アメリカの自治体や地域の持続可能なコミュニティづくりを支援している。
○総合優秀プロジェクト　
「スマートグロース＠NYC」（ニューヨーク市交通局ほか）
　ニューヨーク市の発展計画PlaNYC2030に基づく取組で、今後の人口増加に備えながら、市内各所に小規模公共スペースを設け、大気と水の質を改善し、新鮮な食品やウォーキング･サイクリングを通じ市民の健康増進を図る。
○スマートグロース・グリーンビルディング部門
「ミラーズコート」（メリーランド州ボルチモア市住宅･地域開発局、建築･不動産開発の各社）
　市中心部の廃工場を、住宅や店舗が入る魅力的で活力ある複合施設に改造。
○政策･プログラム･規則部門
「2040グロースコンセプト」（オレゴン州ポートランド・メトロ地域政府）
　今後の人口増加にも対応できる「最高の街」づくりを目指し、交通手段の整備やコンパクトコミュニティへの投資、農地や森林の保全を通じて、現在・将来の市民の生活の質の確保する計画。
○農村部スマートグロース部門
「ゲートウェイ１コリドー行動計画」（メイン州国道1号線沿線市町村、メイン州交通局）
　アメリカ東海岸を走る国道1号線のうち、メイン州内の100マイル区間沿線の20の町が協力して実施する、景観や農村としての地域資源を守る取組。この地域の重要なコリドー（回廊）に沿って、環境保護と経済活性化を実現した。
○市民の場
「ミントプラザ」（カリフォルニア州サンフランシスコ市および郡、設計･建築各社）
　サンフランシスコ中心部の旧造幣局（ミント）周辺の荒廃した地区に、人口密集地での雨水処理が可能な雨水排水システム等を導入、公共の広場とイベントスペースに再開発した。広場は近代的なデザインだが、この場所の歴史的背景を尊重して設計され、周辺地域の住民が集う活力と柔軟性ある公共スペースとして機能している。【アメリカ環境保護庁】