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環境ニュース[国内]

国連環境計画、森林の分断化防止に向けた報告書を発表

地球環境 森林の減少】 【掲載日】2011.06.15 【情報源】/2011.05.31 発表

 ヨーロッパ森林保護閣僚会議を前に、森林の最新状況を示す『ヨーロッパの森林の現状2011年』報告書がまとめられた。閣僚会議は2011年6月、ノルウェーで開催され、森林管理のための法的拘束力ある初めての取決につき交渉を開始する予定である。報告書は、この閣僚会議に情報を提供し行動を促すため、フォレスト・ヨーロッパ(ヨーロッパの森林の持続可能な管理のための、閣僚らによる政策プロセス)、国連欧州経済委員会、国連食糧農業機関FAO)がまとめた。報告書によると、ヨーロッパの森林は、ヨーロッパの陸域のほぼ半分、世界全体の森林の約25%を占める。森林面積は増加しているが、その1%(1100万ヘクタール)が虫や病気で傷つき、森林景観の大半は人間の影響を受けているという。
 森林面積は増えつつあるものの、その多くは「分断化」の脅威にさらされているという。原因は、観光産業の拡大、森林火災、暴風雨、農地等への転用、伐採、不適切な管理等で、分断化された森林は気候変動に対し脆弱になるほか、野生生物の生息地、土壌安定化、水供給といった生態系サービスを提供する力も衰える。
 東ヨーロッパのカルパチア山脈一帯の観光業と私有地化、地中海沿岸の森林火災も、森林の分断化を招いている。閣僚会議では、ヨーロッパの森林の分断化防止と再生のための目標が採択されることが望まれる。国連環境計画では、欧州委員会の科学者らと協力して、欧州の分断化した森林を結ぶ「緑の回廊」を修復するため、植林すべき地域を特定する地図を作成している。この地図も閣僚会議への重要な情報を提供することが期待される。【国連環境計画(UNEP)】

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