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環境ニュース[国内]

NEC、天候の影響受けずに上空から植物の種類などを観測できる光解析技術を開発

自然環境 生物多様性】 【掲載日】2012.11.14 【情報源】企業/2012.11.09 発表

 NECは、天候の影響を受けることなく、航空機に搭載したカメラで森林奥地の植物の種類や生育状況など、生態の観測ができる光解析技術を開発した。物体が反射する、目に見えない波長まで含む光の組成(分光スペクトル)から、物体の材質や状態を表す情報(表面反射率)を正確に推定し、これまで晴天以外では困難だった植物の正確な判別を可能にする。
 分光スペクトルは、光の波長ごとの強度分布を画像に記録するカメラで観測し、太陽の光が物体の表面で反射した光をとらえ、反射の仕方から物体を識別する。そのため、曇天の天候では正しい情報が得られないうえ、観測対象の近くに光の組成が既に知られている完全な白色板などの基準物体を配置する必要があり、人が立ち入れない場所では難しかった。
 NECは雲粒の光散乱特性に着目し、雲を通過する時の光の変化を考慮することで曇天に対応できる方法を開発した。これによって雲があっても植物の種類の正しい判定が可能になる。さらに、光源の光の組成と物体の表面反射率を復元する計算理論を組み合わせることで、観測した分光スペクトルだけで物体の表面反射率が推定でき、基準物体が不要になる。
 開発した光解析技術は、地上のさまざまな場所で晴天から曇天までの天候下での観測を実現する。人が容易に入れない森林奥地などでの生体観測に加え、広大な海洋で人や船舶が高い精度で発見できるようになり、海難救助にも役立つ。NECは今後も技術の研究を進め、防災、広域監視などの公共安全や農業支援、環境・資源調査など、新たな事業に応用する。【日本電気(株)】

提供:ECO JAPAN(日経BP社)

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