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環境ニュース[国内]

味の素、川崎工場に新しい排水処理設備を導入、最新技術で窒素濃度を大幅に低減

水・土壌環境 水質汚濁】 【掲載日】2012.12.11 【情報源】企業/2012.12.06 発表

 味の素は、調味料の主力生産拠点になっている川崎工場(川崎市川崎区)に新しい排水処理設備を導入した。微生物脱窒素法(BDN法)と呼ぶ最新の排水処理技術を採用し、排水の中の窒素濃度を大幅に低減する。新しい処理設備を入れることにあたり、2年半にわたって工場全体で排水量削減活動も実施した。新設備には33億円をかけた。
 従来の排水処理方法では窒素の一部が分解できず、そのまま排出していた。新たに採り入れたBDN法は、数種類の微生物を使って窒素が分解でき、排水の汚れを表す生物化学的酸素要求量BOD)が3ppmになる。BODは水中の微生物が有機物(汚れ)の分解に消費した酸素量で、高いほど有機物が多い。法規制値は60ppm以下とされている。
 プランクトンなどの大量発生を引き起こす全窒素量も、法規制値の60ppmに対して4ppmに抑える。味の素グループはBODが10ppm以下、全窒素量5ppm以下の目標値を定めているが、これも下回る。新排水処理設備は1日あたり4200kLの処理能力があり、排水は多摩川に放流。有機物を分解した後に出る汚泥は、有機質肥料の原料に利用する。
 川崎工場では新処理設備導入に合わせ、水を使わない洗浄法や、洗浄頻度・時間の見直しなどを行い、排水量を約40%削減。設備の建設コスト低減に加え、エネルギー節減や水資源保護につながる取り組みになった。味の素グループは「ゼロエミッション計画」で「使う水は最小限に、使った水はきれいにして自然に返す」と掲げている。【味の素(株)】

提供:ECO JAPAN(日経BP社)

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