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環境ニュース[国内]

富士フイルム、リチウムイオン電池内の化学反応をスパコンで解明

環境一般 調査/研究】 【掲載日】2013.08.06 【情報源】企業/2013.08.01 発表

 富士フイルムは、直接の観察が困難だったリチウムイオン電池内の電解液の化学反応過程をスーパーコンピューターを使って解明した。独立行政法人物質・材料研究機構(NIMS)との共同研究で、電解液の還元・分解と、電極上にできる被膜形成のメカニズムが分かった。電池の性能と安全性を向上させる材料の開発につながる。
 電解液はリチウムイオン電池の正極と負極の間を満たす溶液で、電気的な絶縁性とリチウムイオンの伝導を担う。被膜は電解液が分解することで形成され、伝導性と安定性が求められる。膜の機能は微量の添加剤を加えると大きく改善するが、形成に関する化学反応は解明されていなかった。
 日本最速のスーパーコンピューター「京」を使用し、化学結合の変化や液体中の化学反応を高精度に計算する手法でシミュレーションした。充電の際、正極から負極への電子の移動で電解液が還元され、還元された電解液の分子と還元されていない添加剤の分子が反応する。その結果、膜の素材を形成するという反応メカニズムが分かった。
 従来は、電極からの電子の移動で電解液より先に還元された添加剤の分子と、還元されていない添加剤の分子が重合して膜の素材を形成するとされていた。今回の研究で電解液の分解、被膜形成への理解が深まり、高機能の膜の設計・開発が促進される。富士フイルムは化学反応シミュレーション技術を添加剤などの材料開発に適用する。【富士フイルム(株)】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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