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環境ニュース[国内]

住友林業、茨城のソメイヨシノ保護で組織培養法による苗木増殖に成功、世界初

環境一般 CSR】 【掲載日】2015.04.07 【情報源】企業/2015.04.03 発表

 住友林業は、茨城県指定の天然記念物になっている同県土浦市の桜(ソメイヨシノ)の保護・保存を目的にした後継稚樹の増殖に関する研究開発で、組織培養法による苗木の増殖に成功した。ソメイヨシノは接ぎ木での増殖が広く一般的に行われているが、組織培養法は世界初という。同市立真鍋小学校校庭の「真鍋のサクラ」を対象にした。
 真鍋のサクラは、同校の卒業生が1907(明治40)年に植えた5本のソメイヨシノを指し、今でも春に美しい花を咲かせる。茨城県の天然記念物に指定され、多くの人が訪れる桜の名所になっている。樹齢100年を超えるソメイヨシノが1カ所に5本残るのは珍しく、貴重な桜を後世に受け継いでいくため、同市などが住友林業に協力を依頼した。
 2012年4月に着手した。組織培養法はバイオテクノロジーの手法の1つで、採取した冬芽から芽の分裂組織だけを摘出して培養し、大量の芽を生産する。伸びた芽を1本ずつ切り分けて発根を促す人工培養土に植えると、4週間で植物体(幼苗)が再生される。ここまで無菌条件で行い、その後、温室内で育苗することで外の条件に慣らした。
 ソメイヨシノは、江戸時代末期に染井村(現東京・豊島区駒込)で育種され、接ぎ木増殖で全国各地に広がったとされる。近年では根の機能低下で枯死や寿命の短縮が危惧されている。組織培養法で増殖した苗は、対象樹木の樹齢と比べて若返る可能性が高いといわれ、病虫害への感染も少なく、最適な保護・保存方法として期待されている。【住友林業(株)】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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