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環境ニュース[国内]

トヨタ自動車、燃料電池触媒の白金の劣化をリアルタイムに観察できる手法開発

エネルギー 燃料電池】 【掲載日】2015.05.20 【情報源】企業/2015.05.18 発表

 トヨタ自動車は、燃料電池(FC)の化学反応を促進する触媒の“白金”の劣化(反応性低下)をリアルタイムに観察できる新しい手法を一般財団法人ファインセラミックスセンター(JFCC)と共同開発した。電子顕微鏡の中で発電状態を模擬できる観察用サンプルの作成に成功した。白金の劣化のメカニズムを解析し、性能や耐久性を向上する研究に役立てられる。
 白金はFCに不可欠で発電効率を高める役割を持つ。FCは水素を燃料に空気中の酸素との化学反応で発電する。水素極と空気極の2つの電極があり、水素極が水素分子を電子と水素イオンに分離する際、白金が電子を取り出す働きをし、空気極でも水素イオンと酸素の化学反応を促進させる。電極の白金は数nm(1nmは100万分の1mm)の微粒子だ。
 白金は発電に伴って微粒子が粗大になって性能が低下するため、性能維持には粗大化のメカニズムを解明する必要がある。しかし従来の手法では微粒子が作動している状態で確認できないという技術的な課題があった。今回、原子レベル(0.1nm)で観察・分析可能な透過型電子顕微鏡を使い、実際の化学反応と同じ状態を模擬する観察用サンプルを作成した。
 FCのセルを模擬した極小の観察用サンプルを透過型電子顕微鏡に組み込み、その状態で白金の微粒子に電圧をかける装置によって、FCが発電している時と同じ化学反応状態で白金の微粒子が粗大化していく環境を実現した。リアルタイムで粗大化の過程が観察可能になり、粗大化までの挙動を引き起こす箇所や電圧、材料による違いを明らかにする。【トヨタ自動車(株)】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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