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環境ニュース[国内]

富士通研究所、動物の生息可能数を予測する技術開発、山梨のニホンジカで実証

自然環境 野生動植物】 【掲載日】2016.01.20 【情報源】企業/2016.01.18 発表

 富士通グループの研究組織、富士通研究所は、哺乳動物の生息可能数を予測する技術を開発した。食害被害が深刻化する山梨県のニホンジカに適用して1月から実証を実施し、精度を高める。調査員の立ち入りが難しい地域でも、柵を設けるなど効果的な対策ができる。平均的な体重と、公開されている植生や土地の用途などの情報を基にする。
 ニホンジカの急激な増加による食害で、高山植物など希少な野生植物の減少や森林の荒廃が進み、生物多様性の損失が懸念されているため開発した。食害対策には現地調査で生息数を推定して分布拡大を予測する必要があり、調査員を派遣している。だが広域対策では調査規模が拡大するうえ、調査員が入るのが困難な地域の生息数推定が課題だった。
 富士通研究所は、現地調査が不要で生息可能数を予測する技術を開発した。山梨県甲州市の10km四方の地区でニホンジカの生息に適した生息地、適さない非生息地、生息に適していないが移動に利用できる通路に区分した。そのうえで、通路で連結した生息地を抽出して生息密度と体重の関係をあてはめ、1km四方の区画ごとに生息可能数を算出した。
 実証は9月までを予定する。山梨県内8カ所以上の10km四方を対象に、現地調査員による目撃数や糞の分布などの生息調査データを取得し、開発した技術での予測数と比較・解析を行って精度向上を図る。生息、通路、非生息に対する植生区分などの定義の細分化を進め、森林の状態や季節による植生状態の変化がもたらす生息への影響を把握する。【(株)富士通研究】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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