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環境ニュース[国内]

日本製紙、タイに木質バイオマス燃料の生産実証設備を設置、低温炭化技術を利用

エネルギー バイオマス】 【掲載日】2016.05.11 【情報源】企業/2016.04.27 発表

 日本製紙は、木質バイオマス燃料の生産実証設備をタイに設置する。同社が出資するタイの製紙会社、SCGパッケージングのフィブラス事業部門会社(PPPC社)が保有する木質バイオマス資源を生かし、トレファクション技術を用いた木質バイオマス燃料(トレファイドペレット)の生産実証設備を設置する共同研究開発契約を締結した。フィブラス事業は植林、パルプ、紙で構成する事業部門を指す。

 トレファクションは、比較的低温で木質バイオマスを炭化させることで通常の炭化より熱量を多く残す技術である。トレファイドペレットは耐水性、粉砕性に優れ、エネルギー密度が高まることで物流費低減などの利点も期待されるという。

 生産実証設備はタイ東北部に位置するPPPC工場の敷地内に設け、原料の木質バイオマスは近隣の同社植林地から調達する。日本製紙のトレファクション技術を基に、2017年春から年間約8000t規模でトレファイドペレットの生産を始める。日本製紙釧路工場(北海道釧路市)の微粉炭ボイラーで混焼試験を実施し、同年12月末をめどに事業化を決める。

 事業化が実現した場合は年間生産量8万t規模の商業生産設備を設置することを想定する。生産実証と同時に、三井物産と共にアジア地域を対象にした市場調査も実施する。日本製紙は、再生可能エネルギーとして需要が高まる木質バイオマス燃料の中でも利点が多いトレファイドペレットの安定生産に向けた操業技術の早期確立を目指す。

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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