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環境ニュース[国内]

昭和シェル石油、新たな人工光合成技術で有用資源となる炭化水素への変換に成功

地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2016.12.08 【情報源】企業/2016.12.05 発表

 昭和シェル石油は、新たな人工光合成技術で太陽光エネルギーだけを活用し、常温常圧下で有用資源となる炭化水素への変換に成功した。燃料電池などに使われるガス拡散電極を使用した。世界で初めてという。ガス拡散電極は水と、気体状態のCO2が同時に触媒に接触する構造になっている。気体のCO2が直接利用できることから、実用化につながる。

 太陽光エネルギーによって、水とCO2から有用物質を直接合成する研究開発の過程で実現した。温暖化対策として、再生可能エネルギーでCO2を資源に変換する技術が期待される一方、CO2は化学的に安定し、炭化水素などへの変換は難しいとされる。日本では技術の研究が進んでいるが、多くはCO2を水に溶かす方法を採用している。

 CO2は少量しか水に溶けないことから、資源への変換が困難という課題があった。昭和シェルは今回、ガス拡散電極を使って気体のCO2を直接反応させた。ガス拡散電極には独自の触媒を使用した。もう一方の極の光陽極は半導体光触媒と、100%子会社で太陽電池生産のソーラーフロンティア製CIS薄膜太陽電池との積層構造にした。

 疑似太陽光の照射によって太陽光エネルギー変換効率0.61%でメタン、同0.1%でエチレンを合成した。両方を合わせ、太陽光エネルギーでの炭化水素への変換効率0.71%を達成した。これは植物の光合成と同水準となる。今回の技術を基に、2030年までに炭化水素やアルコールなど有用物質を高効率に製造する技術の確立を目指す。【昭和シェル石油株式会社】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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