一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境ニュース[国内]

王子HD、CNFとポリカーボネート樹脂の複合材を開発、軽量化や断熱性の向上に効果

エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2018.03.22 【情報源】企業/2018.03.15 発表

 王子製紙を中核にする王子ホールディングスは、木材を原料にする環境配慮型の先端素材、セルロースナノファイバー(CNF)とポリカーボネート樹脂を組み合わせた複合材を開発した。外部からの力や熱によって変形しやすいポリカーボネート樹脂の課題が解決でき、ガラスからの代替拡大が期待される。軽量化や断熱性能の向上効果が見込まれる。

 CNFは木材繊維(パルプ)を微細化したバイオマス素材で、植物繊維由来のため生産・廃棄に関わる環境負荷が抑えられる。軽量で変形しにくく、温度変化に伴う伸縮もガラス並みといった特長を持つ。ポリカーボネート樹脂は軽く透明性に優れ、耐衝撃性もあることから、自動車用ライトカバーや電子機器の本体、レンズ材に使われる。

 一方、ポリカーボネート樹脂は外部からの力に影響されてたわみやすいうえ、熱で変形しやすい。そのためガラスのような安定した形状や、寸法が厳しく求められる用途では利用範囲が限られる。王子ホールディングスは今回、透明度の高いCNFを組み合わせることで透明性を維持したまま、ポリカーボネート樹脂の機能性を大幅に高めた。

 従来のポリカーボネート樹脂と比べ、変形のしにくさを表す弾性率は約4倍に向上した。熱での変形しやすさを示す線熱膨張係数は約3分の1に低減してアルミの水準になった。これによって軽量化や高い断熱性といったガラスにない効果が期待でき、新たな用途への展開も可能になる。成形メーカーと協議を進めて数年以内の実用化を目指す。【王子ホールディングス株式会社】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

情報提供のお願い(企業・自治体の方へ)

記事に含まれる環境用語

プレスリリース