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環境ニュース[海外]

世界気象機関、2019年の気候状況を報告し温室効果ガスの影響を警告

地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2019.12.18 【情報源】国際機関/2019.12.03 発表

 世界気象機関(WMO)は、2019年の世界の気候状況に関する報告書(暫定版)を発表し、2019年も2010年代を通して経験した異例の高温、陸海氷の後退、海面水位の上昇を記録したと報告した。原因として温室効果ガスの排出増加をあげ、対策が急務であると警告した。今回は特に、健康、食料安全保障、人の移動、生態系等に対する気候関連のリスクと影響について1章を割いた。報告書の要点は次のとおりである。
 1)気温:5年平均気温(2015〜2019年)、10年平均気温(2010〜2019年)はほぼ確実に史上最高記録となる。また、2019年は2016年に次ぐ史上2番目か3番目の高温の年となる見通しである。
 2)海面水位:2019年10月に世界の平均海面水位は1993年の観測開始以降の最高値を記録した。上昇は加速している。
 3)海洋熱:海洋貯熱量は記録的又は記録に迫るものとなった。海洋熱波の発生と長期化も顕著で、2019年に海洋は平均して熱波を1.5ヶ月経験した。
 4)海洋の酸性化:産業化以前に比べ26%進行した。
 5)陸海氷:北極海氷は2019年も引き続き減少し、2019年9月の平均は史上3位の少なさであった。南極も2019年中の数ヶ月は記録的に氷が少なかった。グリーンランドの総氷量収支は、2018年9月〜2019年8月の1年で329ギガトン減少、2002〜2016年に年平均260ギガトンの氷が融解した。
 6)温暖化:2019年1〜10月の世界の平均気温は産業化前より1.1℃上昇した。2018年に過去最高値407.8ppmを記録した大気中CO2濃度は、2019年も上昇を続けた。
 7)洪水、干ばつ、熱波、山林原野の火災、熱帯低気圧等が頻発している。
 8)その結果、健康や食料の安全保障、生態系が脅かされ難民や紛争が多発する等の深刻な影響が拡大している。
 報告書の完全版は、2020年3月に発表される。【世界気象機関

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