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環境ニュース[国内]

UNEP 長期的な災害のリスク削減には「環境」がカギに

地球環境 国際環境協力】 【掲載日】2005.01.26 【情報源】/2005.01.19 発表

 1月19日、神戸で開催された世界防災会議において、UNEPのテプファー事務局長は、災害への備えや対応に、環境問題を組み込んでいくことを求めた。
 事務局長は、「インド洋での津波警戒システムに加え、世界レベルで、自然災害から人間による災害(化学物質の事故やタンカー事故など)まで、すべてをカバーできるマルチ・ハザード初期警戒システムが必要である」と強調する。こうしたシステムは、技術だけでなく、地方に伝わる知恵や知識に基づいて、環境安定要因を確保するような新しい思考に裏打ちされたものでなければならない と事務局長は述べる。また、UNEPの「地方レベルでの緊急時のための普及啓発と災害への備え(APELL)」プログラムのように、コミュニティを基礎としたアプローチの実施が必要であることも強調した。さらに、災害の被害を緩和するためにも、強固な自然が必要で、森林、マングローブサンゴ礁などの自然資源について、環境資本として投資していく必要があることを訴えた。
 スマトラ沖地震・津波については、多くの人命が失われたのに加え、森林やサンゴ礁など自然環境にも深刻な影響が及んでいることが明らかになってきた。インドネシア政府や国際機関などが実施した、被害と損失に関する初期評価報告書によると、環境に関する経済的な損失は、約6億7500万ドル(708億7500万円)に上るという。
 今回の津波では、UNEPに対して、インドネシアからは環境危機センターの設立、モルジブからは緊急廃棄物処理支援とサンゴ礁と生物への影響調査、スリランカとタイからは環境影響評価が要請されている。2月には、UNEPチームによる環境被害の初期評価報告書の作成が予定されている。
 なお、UNEPは、世界防災会議において、2004年10月に日本を襲った「トカゲ台風」に関する報告書も公表した。報告書は、人的な被害は大きかったが、ガバナンス、教育、普及啓発、情報・データ管理などに関する一連の対策が、全体として、災害の悪影響を緩和するのに役だったと述べる。そして、トカゲ台風の最も大事な教訓は、災害管理計画に環境の視点を組み込むこと、災害が環境に与える影響や、環境活動(森林管理や河川管理)が災害影響に及ぼす効果について予測する必要があることだと指摘した。【UNEP】

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