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環境ニュース[国内]

ナガサキアゲハ、温暖化で分布拡大か 15年度「河川水辺の国勢調査」が指摘

自然環境 生物多様性】 【掲載日】2005.01.28 【情報源】環境省/2005.01.28 発表

 国土交通省では平成15年度に実施した「河川水辺の国勢調査」の結果をまとめ、17年1月27日に公表した。
 この調査は2年度から実施されているもので、全国の河川と管理ダムでの生物調査、利用実態調査などが主な内容となっている。
 今回は一級105水系123河川、二級14水系14河川と94の管理ダムで生物調査を実施。日本に生息する種のうち、淡水魚・汽水魚の約71%、鳥類の約52%、両生類の46%、植物の34%を確認した。 
 この中には(1)沖縄の5つのダムで環境省レッドリストの絶滅危惧1A類(ごく近い将来に絶滅の危険性がきわめて高い種)に指定されているノグチゲラを確認した、(2)北海道、東北地方、北陸地方の一級河川ダムのほとんどで絶滅危惧1B類(近い将来に絶滅の危険性が高い種)に指定されている国の天然記念物オジロワシが確認された−−という明るいニュースが含まれている。
 しかし一方では、ブルーギルオオクチバス河川での確認数が2〜7年度の調査ではそれぞれ32.1%、46.4%(注1)だったのが、13〜15年度調査では46.5%、58.1%に増加しているなど、多くの外来種の生息域が拡大している傾向が依然として継続していた。特に2〜7度に32.3%の河川でしか確認されていなかったミシシッピアカミミガメは、15年度調査では64.5%と約2倍の河川で確認されるまでになっている。
 このほかには、もともとは四国南部と九州以南にしか生息していなかったナガサキアゲハが中部地方の天竜川と矢作川で確認されたことが報告されている。このことについて国土交通省では「近年の研究で、年間平均気温が15度程度に上昇するとナガサキアゲハがみられるようになるとの報告があり、温暖化の影響により分布が拡大した可能性がある」と分析している。

(注1)15年度調査実施河川と同一の河川の中での割合であるため、14年度調査結果に示した割合とは異なる。【国土交通省】

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