一般財団法人環境イノベーション情報機構
EPA 大気質基準達成地域における3つの規制オプションを提案 意見を募集
【大気環境 大気汚染】 【掲載日】2005.03.03 【情報源】/2005.02.15 発表
EPAは2月14日、NO2の全国大気質基準に適合している地域において、大気質の維持を図るための3つの規制オプションを提示した。大気浄化法による、NOxの「深刻な悪化の防止(PSD)」プログラム(注1)では、大気質の悪化を抑制するために、「最大許容排出増加枠」(注2)という制度が用いられている。新規の施設を設置し、あるいは既存の施設を修繕する者は、全国大気質基準に違反しないこと、NOxに関する最大許容排出増加枠によって許容されたレベルを超えて大気質を悪化させないことを証明するために、その排出に伴う影響を評価しなければならない。また、PSD地域において大気質が悪化しないようにするため、州などは、施設の設置または修繕に係る許可の際に、最新の大気汚染管理技術を導入することを義務づける。
今回の提案では、以下の3つのオプションが示された。
(1)1988年10月に設定された、既存の(NO2計算による)NOx最大許容排出増加枠を維持する。
(2)NOx排出源による州際キャップ・アンド・トレード・プログラムの実施を選択する州に対し、既存の最大許容排出増加枠の代わりに、かかるプログラムにより得られる利益に依存することを認める
(3)州に対し、最大許容排出増加枠の代わりに、州が自ら計画的な戦略を採択し実施することを認める。
EPAは、連邦官報において、今回の提案を60日間のパブリック・コメントに付す予定である。【EPA】
(訳注1)全国大気質基準(NAAQs)の達成地域において、施設の新規設置等により大気質の深刻な悪化が生ずるのを未然に防止することを目的とするプログラム。
(訳注2)達成地域ごとに事前に定められる、対象となる汚染物質の許容排出増加量。施設の新規設置にしたがって減少していき、ゼロになったときには当該地域における新規設置は禁じられる。