一般財団法人環境イノベーション情報機構
05年2月の平均オゾン全量 北半球高緯度地域で広範囲にオゾン全量減少
【発表日】 2005.03.22 【情報源】 気象庁 【地球環境 オゾン層】
気象庁は2005年3月22日、札幌、つくば、鹿児島、那覇−−の国内4地点と南極・昭和基地で実施している上空オゾン量、地上に到達する有害紫外線強度についての05年2月の観測結果を発表した。05年2月の観測では、国内4地点の月平均オゾン全量(ある地点の上空のオゾン総量)は鹿児島で多く、札幌、つくば、那覇で並だった。
また、米国・航空宇宙局(NASA)のアースプローブ衛星のデータと気象庁の観測値から作成した全世界の月平均のオゾン全量分布について、参照値である1979年から1992年の月別平均値との偏差を解析した結果では、南極大陸、南米大陸南部、カナダ中部からヨーロッパ北部にかけての北半球高緯度の領域で10%以上オゾン全量が減少した地域が見られた。
特にこのうち北半球高緯度のオゾン全量減少地域では、参照値より20%以上もオゾン全量が減少した地域が広範囲に広がり、3月前半でもこの状態がほぼ継続している特異な状況。
気象庁はこのようにオゾン全量減少地域が拡大した原因の1つとして、この冬の北半球上空の成層圏の気温が低く、オゾン破壊を促進するマイナス78℃以下の領域の面積が1988/89年以降で2番目に大きかったことをあげている。【気象庁】
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