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環境ニュース[海外]

「フード・マイル」論争に一石を投じる報告書を公表

大気環境 交通問題】 【掲載日】2005.08.01 【情報源】イギリス/2005.07.15 発表

 イギリス環境・食糧・地方事業省が新たに公表した報告書によると、食料輸送は、道路の渋滞、交通事故、気候変動騒音大気汚染などに著しい影響を及ぼしており、また、その影響は大きくなってきていることが明らかになった。
 7月15日に公表された報告書「持続可能な開発指標としてのフード・マイルの有効性」によれば、食料輸送に伴う環境・社会コストは、年間90億ポンド(約1兆7700億円)と推計される。その半分以上に当たる50億ポンド(約9800億円)は、道路の渋滞に起因するものだが、残りは、20億ポンド(約3900億円)が交通事故、そして10億ポンド(1960億円)が大気汚染によるものだ。重量掲載物車両(HGV)によって運搬される食料は、1974年から2倍に増加し、今日では、食料輸送が、全てのHGV走行キロ数の25%を占めるまでになっている。 
 報告書では、自動車による運搬の度合いが高いことが、環境影響の大きさにつながっているとされる。また、いわゆる「フード・マイル(*)」については、これだけで食料輸送の影響を捉えられるわけではないとされた。距離と同様に、食料輸送の運搬方法、タイミング、ロケーション及び効率が重要な要素となるという。
 持続可能な農業・食糧担当のバック大臣は、この研究について、フード・マイル論争に貢献するものだと評価し、「問題は複雑で、個々の製品が運ばれる距離だけでなく、様々な要素が、食料輸送に伴う影響に関わっている」と指摘した。また、今後、こうした報告書を毎年発行することを明らかにし、消費者や生産者、スーパーマーケット、環境保護団体、公共機関などによる健全な議論につなげて欲しいという期待を示した。【イギリス環境・食糧・地方事業省】


訳注*:フード・マイルは、食料の生産地から食卓までのトン距離を定量化して表す試み。なるべく地域内で生産された農産物を消費することで、輸送などに伴う環境負荷を削減していこうという取組みにつながっている。

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