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環境ニュース[国内]

3基の原発で東芝製原子炉給水流量計の試験データ不正が判明

エネルギー 原子力】 【掲載日】2006.04.20 【情報源】原子力安全・保安院/2006.04.20 発表

 「(株)東芝の原子炉給水流量計の実流量検定試験データはほぼ全数ねつ造である」という告発情報が、原子力安全・保安院に寄せられた件について、「原子力施設安全情報申告調査委員会」は18年4月20日、「東芝が原子炉給水流量計の実流量試験を実施した7原子炉のうち3基について、不正なデータ修正が確認された」という調査結果をまとめ、公表した。
 告発情報は17年11月に匿名の手紙の形で寄せられていたもの。
 調査委員会の報告によると、電力会社に提出したデータと原試験データを照合した結果、不正なデータ修正が確認された原発は福島第一6号機、柏崎刈羽7号機、東通1号機。
 これ以外の4基のうち、女川1号機については不正の形跡がないと報告されているが、女川2号機、柏崎刈羽2・3号機については、原試験データが発見されていないため、不正があったかどうか確証を得るに至らなかったとされている。
 不正の原因については、東芝側が「当時の原子炉給水流量計の設計者兼試験担当者が、試験の判定基準であるASME(米国機械学会)規格の最新版を参照せずに判定法を誤ってしまったことが主要因」だと説明。本来は流量計の再試験・再製作を行うケースであったが、これを行わなかった理由については「納期遅延、再製作によるコスト増大などを回避したい心理が働いた」という内容を示した。
 なお申告調査委員会の下に原子炉流量計ワーキンググループを設置し、流量計の精度を再検証した結果では、これらの原子炉給水流量計精度は7基とも安全上、法令上の問題はないレベルだったと判断されている。
 この調査結果を受けた対策としては、保安院が4月20日中に、東芝と不正が行われた原発の設置者である東京電力、東北電力に、それぞれ厳重注意を行うとともに、18年5月19日までに再発防止策の報告を求めている。

(注1)関係者の内部告発がきっかけとなり、原子力発電所の自主点検記録についての一連の不正が発覚したことを受け設置された組織。外部専門家により構成され、保安院に寄せられた個々の告発情報の対応方針を決める権限を持つとともに、この方針に基づいて保安院の担当官が行った調査内容が適切であるかチェックを行うことになっている。【原子力安全・保安院】

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