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環境ニュース[国内]

川崎重工、水エマルジョン燃料を使った初の長期実船試験で性能と耐久性を確認

エコビジネス 環境技術】 【掲載日】2015.05.19 【情報源】企業/2015.05.14 発表

 川崎重工業は、燃料消費量とCO2排出量を増加させることなくNOx(窒素酸化物)排出量が削減できる水エマルジョン燃料を使った世界初の4年間の長期実船試験を完了した。性能と耐久性を確認した。排気再循環技術と組み合わせた同社独自の環境対応システム「K-ECOS」に適用し、2015年度末引き渡し予定の大型自動車運搬船への搭載が決まっている。
 水エマルジョン燃料は、燃料の中に細かい水粒子が分散して含まれている。エンジンの燃焼室内に噴射されると水粒子が蒸発し、周囲の熱を奪うことで火炎温度を下げてNOxの生成を抑える。加えて、燃料噴霧の微細化や空気導入の増加による燃焼改善で燃料消費量とCO2排出量も削減する。NOx排出量の規制が厳しくなることを受けて実船試験を行った。
 試験では、水エマルジョン燃料供給システム搭載のばら積み運搬船を造り、燃料系統と主機関の一部設計を変更したほか、新開発の機器類などを組み込んだ。2011年1月から川崎汽船グループが運航し、NOxを含む排ガス性状や機関性能、長期使用での機関・燃料系統機器の耐久性を確認した。就航3年目の各種検査は正常で、その後も順調に運航した。
 国際航海に従事する船舶からのNOx排出量について、国際海事機関(IMO)は2016年に3次規制を実施し、特定の規制海域で1次規制値からの80%削減を義務付ける。川崎重工は、水エマルジョン燃料技術と排気再循環技術など他のNOx低減技術を組み合わせ、3次規制値の効率的なクリアを目指している。実船試験で3次規制の対応に向けた効果を実証した。【川崎重工業(株)】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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