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環境ニュース[国内]

国際エネルギー機関、炭素回収貯留技術の普及加速にEORが有望と指摘

地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2017.04.14 【情報源】/2017.03.30 発表

 国際エネルギー機関(IEA)は、炭素回収貯留(CCS)技術の経済的魅力を高め普及を加速する方法として、増進石油回収(EOR)があると指摘した。CCSは、発電所や産業施設のCO2排出削減に加え、今世紀後半でネガティブ・エミッションを実現し、世界のCO2削減目標を達成するために必要だが、その普及は遅れているという。IEAのEnergy Technology Perspectivesの2DSシナリオでは、地球の平均気温の上昇を2℃以内に抑えるには、2025年までに毎年約540メガトンのCO2貯留が必要だが、現在はまだ28メガトンに過ぎない。EORは、回収したCO2を老朽油田に注入し生産量を高めるもので、注入したCO2の大半は地中にとどまり、地上に再放出される一部のCO2も石油から分離され地中に戻される。IEAは、気候変動対策としてのCCSの役割は大きく、化石燃料の追加生産分を考慮しても正味の排出削減が可能だとしている。現在、北米ではCO2を使ったEORが140件稼働している。このうち石炭火力発電所や工場のCO2を使っているのは1割に過ぎないが、商業的に採算がとれるものもあり、中東や中国でも建設が始まっている。中国では、既存の石炭火力発電所にCCS設備を追加導入することで、CCSの大規模な普及も可能だという。ただし、注入したCO2がすべて地中に貯留されているわけではない。IEAは、これまでのEOR法を改良し、モニタリング・測定・検証(MMV)を強化する必要があるとしている。【国際エネルギー機関

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