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環境Q&A

PVCの不使用方針 

登録日: 2005年06月13日 最終回答日:2005年06月18日 健康・化学物質 ダイオキシン

No.10958 2005-06-13 10:13:05 円美

こんにちは、PVCについて教えてください。私の所属する会社では、PVCの製品への使用の全廃に向けて動いております。ですがWeb等でいろいろ調べていくと、PVCを使用しないことの方がナンセンスのような感じがしてきました。日本及びEU等国家として規制しているものではないですね。PVCの不使用方針というのは、十分な調査(国家的にも)がなされる前に、一部の不十分な調査結果から起こった方針であり、塩ビ自体は適切な処理をすれば特別有害なものでは無いという解釈でよいのでしょうか?

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No.10962 【A-1】

Re:PVCの不使用方針

2005-06-13 22:33:00 無鉄砲

欧州で一部用途について使用規制がありますが、PVC自体ではなく、PVCの添加剤が(その用途については)有害かもしれないので規制したということかと思います。
生物が飲み込む、生物にからみつく。。。燃やすと有毒ガスが出る。。。といったことは、PVCだけの問題ではありませんが、全世界で大量に使用されているので、代表例として取り上げられるのは、仕方がないことです。
もちろん、塩ビモノマーは有害ですので、環境放出の低減や労働暴露の低減に必死に努めなければなりません。

回答に対するお礼・補足

すばやいご回答ほんとうにありがとうございました。いろいろな環境に対する情報の中で、正確なことをつかんで本当に環境負荷を減らすことをしなくてはいけませんね。

No.10969 【A-2】

Re:PVCの不使用方針

2005-06-14 08:49:59 加工屋

「塩素を含んでいるためPVCを燃やすとダイオキシンが発生する可能性がある。」という報道がなされた事で忌避されたようです。
実際には塩素を含んでいるゴミを低温で燃やすとダイオキシンが発生しやすいこと、高温で燃やすとダイオキシンが発生しにくいことが判明したため、今ではPVCの使用を問題視するようなことはほとんどなくなっています。

一時期は、PVCの代替品の開発や使用が行われていましたが、コストや加工性、リサイクルのしやすさ等で問題があり、代替品の使用をやめてPVCを使用するようにしているところもあります。

回答に対するお礼・補足

すばやいご回答本当にありがとうございます。すっきりしました。本当に環境負荷を減らすことを考えて対処方法を決めることを会社に提案していきたいと思います。

No.10991 【A-3】

Re:PVCの不使用方針

2005-06-14 20:40:17 Dr.ゴミスキー

 質問者の円美さん、また、回答者の無鉄砲さんと加工屋さんの見解は、一つの見識としては妥当と思われますが、この見識の前提は、業界団体の「塩ビ工業・環境協会」らの説明が前提と察します。

 しかし、塩素系を含んだ素材を焼却すると、低温であろうと高温であろうとダイオキシン類が非意図的に生成されることは、焼却プラントメーカーらの関係者の間では常識です。また、添加物が温度で何らかの化学反応が起き、それがどの様な物質に変化するかも不明な状態です。さらに、バクフィルターで補足されず、ガス状の状態で拡散すこともあります。

 これらの対策のために、プラントメーカーも自治体も公害対策等の設備を設ける訳ですが、この塩素系対策のために設けるのは、特定の産業活動のために高額な税金を使うことと同じ言葉になります。

 十分な調査とは、立場が異なると解釈も異なります。また、適切な処理も言葉の解釈としては難しい話です。
 要するに、視点を何処に置くかで見解(立場)が180度異なるのです。このことを理解し、経営の際の判断されることが必要です。

回答に対するお礼・補足

ゴミスキーさん、回答ありがとうございます。

>十分な調査とは、立場が異なると解釈も異なります。>また、適切な処理も言葉の解釈としては難しい話で
>す。
>要するに、視点を何処に置くかで見解(立場)が18>0度異なるのです。

いちばん、難しいところですね。捕鯨についても同じことがいえますね。
地球の為に正確な判断が必要ですね。

No.11022 【A-4】

Re:PVCの不使用方針

2005-06-15 16:49:49 無鉄砲

>塩素系対策のために設けるのは、特定の産業活動のために高額な税金を使うことと同じ

これまで多くの国民・産業が、安くて便利な有機塩素系化合物を使用し、その恩恵を受けてきた事実を無視して、「特定の産業活動」と決めつけるのはおかしいでしょう。
有機塩素系化合物の使用を全廃できたとして、その代替物の安全性は、保証されていません。さらに、人工化合物の使用を全廃し、すべて天然物で代替できたとして、環境負荷がどれほど低減できるのか、分かったものではありません。
PVC不使用とか、PRTR物質クリアだとかは、同業他社との差別化の一材料にしか過ぎ、結果的に、それで利益を上げようとしているだけです。環境負荷の低減を追求するなら、余計なものは作らない、売らない、消費者の購買意欲を刺激しないことが一番です。

回答に対するお礼・補足

>環境負荷の低減を追求するなら、余計なものは作らな>い、売らない、消費者の購買意欲を刺激しないことが>一番です。

自分は製造業でご飯を食べていますが・・・
上記については、心から賛成します。

No.11037 【A-5】

Re:PVCの不使用方針

2005-06-16 13:48:53 isisan

「適正な処理をすれば特別有害ではない・・・」という
のは間違ってはいないとは思いますが,これはほとんど
の物質について言えることでしょう。
PVCの場合その「適正な処理」が大変なんですね。
塩素を大量に含みますから焼却炉は酸腐食によって
損耗が激しくなります。排煙処理装置などにもこの辺
の問題はついて回ります。このため処理業者ではPVC
を含む廃棄物は焼却せずに埋め立てるといった措置が
取られることがあります。少ない埋め立て地を圧迫する
ため非常に嫌われます。処理費用も数倍取られます。

ダイオキシンとの関連はさておき,PVCがその代替品
よりも環境に余計な負荷を与えているということは,
間違いないでしょう。PVC削減は必要だと思います。
「PVCは安全だ」という意見こそ,コストのために
安直にPVCへ戻す言い訳に聞こえます。

No.11101 【A-6】

Re:PVCの不使用方針

2005-06-18 21:22:29 Dr.ゴミスキー

 無鉄砲さんへ

 この「Q&A]は、論争の場でないと理解しています。ここでの回答は、それぞれの置かれている体験や立場から匿名で回答していると推察しています。

 ですから、私は、自分の体験から「特定の産業活動」という言葉を選び、1つの見解を示しました。

 無鉄砲さんの反論と思われる内容も1つの見識と理解しています。

 私は、例えば、電線の被覆や、医療でも体内で使用する医薬品等は塩ビ系と理解しています。そして、社会的にも意義ある製品と考えています。

 要するに社会的に意義ある製品でも、その廃棄処分をどの様に考えて販売しているかです。

 また、塩素系製品の多くの原材料は、原油を精製する過程から発生するナフサと苛性ソーダーを製造する際に発生する物質です。

 つまり、産業廃棄物の有効活用(昨今の「ゼロ・エミション」です)でもあります。これらのことを理解しても、氾濫する塩素系の処理には課題が内在していることから、「特定の産業活動」という言葉を使用しました。

 このことは、中央環境審議会や産業構造審議会の関係する部会を傍聴すると、産業界の意見開陳の真意を理解可能です。

 昨今は、拡大生産者責任(EPR)と言う概念が定着しつつありますので、そのことも今後の産業活動(経営)の参考にすべきです。


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