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環境Q&A

生コンの洗浄水について 

登録日: 2007年06月24日 最終回答日:2007年07月04日 水・土壌環境 水質汚濁

No.23256 2007-06-24 12:40:37 七誌

生コン後の洗浄水について最近指摘を受けたものですが、
最近の指導について疑問に思うところがあります。
洗浄水が本当に有害なものであれば、実際に作業を行っているものはどうなのでしょうか。作業後手を洗う水もない山の中で工事をしたときなど、手を洗わずに昼食を食べたり、もしたでしょうし、そのまま家に帰った人もいると思います。
一番危険なのは、作業者ではないのでしょうか、
ガーデニングとか言って最近ではホームセンターとかにも安易にセメントがおかれています。
このことに疑問に思う方はいましたらお願いします。

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No.23260 【A-1】

Re:生コンの洗浄水について

2007-06-24 21:52:20 aqua-play

生コン後の洗浄水はアルカリ性が強く生コンを素手で触ると皮膚が溶けて指紋が無くなったり
皮膚が弱い人はひりひり痛くなったりします
アルカリ性が強いのもで体表的なものは苛性ソーダ(水酸化ナトリュウム)ですが苛性ソーダ
は脂肪・油やタンパク質を良く溶かすので排水管の洗浄剤や落ちにくい汚れ、たとえば作業服など
洗濯に加えると良く落ちます

生コン後の洗浄水の有害性ですが人間については直接飲んだりしなければ上記の様な
ことですみますが、河川や土壌に流出した場合は微生物や植物に影響がでます
微生物や植物は急激なpHの変化に弱い場合が多く死滅したり数を減らしたりします
生態系の最初の微生物や植物に影響があれば次に魚・小動物又次にとどんどん連鎖していきます

河川では流れの最初の山の中その様なことをすれば下流の方の影響は特に大きいです
ので規制は山の方き厳しくなっている場合が多いです

洗浄水を流す場合はできるかきり中和して流すことが大事です、水質汚濁防止法では
pHは5.8以上〜8.6以下で流すことになっています
そちらの工事現場は水質汚濁防止法の適応を受けるか分かりませんが
中和は排水がアルカリの場合塩酸又は硫酸を加えてpH5.8以上〜8.6以下にするのが一般的です

ガーデニングや日曜大工でセメントを使用してセメントの洗浄水が流れる場合、基本的には
中和した方が良いですが使用量が少ないので問題にならないと思います。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。
世界遺産に登録された土地で仕事をしているものとして、環境を破壊しながら工事をしていたと思うと、勉強不足で恥ずかしい限りです。

No.23266 【A-2】

Re:生コンの洗浄水について

2007-06-25 01:22:43 JPCCN関西 化情技セ

七誌様、はじめまして。
JPCCN関西 神戸事業区 化学情報技術センターよりお答えいたします。

>生コン後の洗浄水について最近指摘を受けたものですが、
>最近の指導について疑問に思うところがあります。
>洗浄水が本当に有害なものであれば、実際に作業を行っているものはどうなのでしょうか。作業後手を洗う水もない山の中で工事をしたときなど、手を洗わずに昼食を食べたり、もしたでしょうし、そのまま家に帰った人もいると思います。
>一番危険なのは、作業者ではないのでしょうか、

生コンの塩基性の主成分は水酸化カルシウム(消石灰;Ca(OH)2)です。生コンの産地が石灰の産地に近いかほぼ一致しているのもこのためです。
水酸化カルシウムは強塩基性の物質ですので、素手で触れると、(水酸化ナトリウムほど激しくはありませんが)肌荒れを起こします。水にはわずかに溶け、温度が低いほど溶解度が大きくなる特殊性もあります。グラウンドの白線に使われるのは、炭酸カルシウムか、この水酸化カルシウムです。
また、水酸化カルシウムは食品添加物としても認可されており、こんにゃくの凝固剤として不可欠なものでもあります。
確実に手を洗うには、まず食酢かクエン酸の薄い溶液のなかで手をもみ、その後、水洗いします(酢酸やクエン酸とは可溶性の塩を形成して中和されます)。それから通常どおり無添加の石けんで手を洗います。
生コンで汚れた洗濯物を洗濯物に混ぜると、カルシウム分の影響でカルシウム石けんを生成し、洗浄効果が落ちることも考えられます。生コンで汚れた作業着等を洗う際は、予洗いとして、クエン酸溶液でカルシウム分の除去(脱灰処理)を行います。それから水でよくすすいでから、他の洗濯物と一緒に炭酸塩入りの粉石けんでお洗いください。

>ガーデニングとか言って最近ではホームセンターとかにも安易にセメントがおかれています。
>このことに疑問に思う方はいましたらお願いします。

環境影響に関しては、消石灰が農耕地などで使用されているように、通常の使用ではとくに心配はないと思われます。ただし、大量の洗浄水などで、結果として大量の生コンが排出されることが想定されるような場合には、中和などの適切な処理を検討してください。

(参考)消石灰は空気中の二酸化炭素を吸収することにより、炭酸カルシウムに変化し、pHが降下する性質も持っています。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。
皆さん洗濯の際の知恵まで教えいただいて、ご丁寧にすみません。
うちぐらいの施工業者のレベルでは、中和することに注目して対策を練るのが一番のような気がしました。

No.23276 【A-3】

Re:生コンの洗浄水について

2007-06-25 13:19:03 papa

>洗浄水が本当に有害なものであれば、実際に作業を行っているものはどうなのでしょうか。
どんな製品でも100%安全というものはありませんので、そういった意味ではセメントも例外ではありません。
使い方次第でどうにでもなる部分もありますから、業務に利用されるなら作業者の安全性を確認するべきとの指摘は当然です。
前2回答ではもっぱらアルカリに起因する障害のみが掲げられておりますが、生コン取扱作業の安全管理のうち主原料であるセメントの焼成過程で生成するクロム酸のことが触れられておりません。
セメント協会でもこの点は広報していますので、ご覧になったらいかがでしょうか。クロム酸は溶解しやすいのでプラント洗浄水やコンクリート2次製品製造工場などでは還元処理が行われています。詳しくは以下のセメント協会ホームページを参照してください。
http://www.jcassoc.or.jp/cement/1jpn/jd4.html
また、国土交通省からもセメント由来クロムについては取扱について通知が出ております。
http://www.mlit.go.jp/tec/kankyou/kuromu.html
>一番危険なのは、作業者ではないのでしょうか、
そのとおりと思いますので、作業者にはこの点を十分確認していただく必要があると思います。
>ガーデニングとか言って最近ではホームセンターとかにも安易にセメントがおかれています。
素人が趣味で行う程度ならあまり心配はないと思いますが、一応危険なケースもあることは警告すべきと思います。しかし、趣味で行うならこの程度のことは知っていて当然という範囲ではないかと思います。
下水処理場では、コンクリート水槽の水張試験、新規供用時の張り水排出に際しては、pHだけでなくこれらの点をふまえた水質確認を行っています。
もちろん、コンクリート打設時のミキサー車洗浄は処理設備のある工場側で行っていただいております。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。
だんだんと機械科出身の建設業者として、ついていけなくなりそうですが、がんばって理解したいと思います。

No.23294 【A-4】

Re:クロム含有鉱物の問題について

2007-06-25 23:13:19 JPCCN関西 化情技セ

JPCCN関西 神戸事業区 化学情報技術センターです。

papa様、貴重なご意見ありがとうございます。

たしかに、セメント原料にクロムが含まれていれば、クロム特有の性質により、加熱過程で酸化され、クロム酸イオンが生じる可能性がありますね。これは同時に、高温の加熱の過程を経て製品化される粘土鉱物原料中にクロムが微量なりとも含まれている以上、セメントに限らない問題につながる可能性もあるということを示すことになります。
これは重大な問題を投げかけるものです。

この場合は生コンに限定されていますが、この問題事例を機に、陶磁器の原料など焼成を伴う工程を経ることが見込まれる原料についても、元素分析が重要な意味を持つことを示唆することになるのではないでしょうか。
セメントの洗浄水でクロム酸の問題が起こるということは、セメントにクロム酸が含まれているということになるわけですから、洗浄水に限らず、セメントを用いた建造物そのものやセメント建築廃材のようなものも、場合によってはクロム酸イオンによる汚染源として問題になる場合があるかもしれないということになります。

現状では、建築従事者にとっては荷が重過ぎる問題といわざるを得ないでしょう。6価クロムの心配をしなくてもすむよう、工程の見直しや明確な品質基準を定めるなどの対策を政府などに働きかけていくことも必要になるでしょう。

今後、更なるリスクコミュニケーションや議論が必要な課題だと思われます。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございます。
実際、監督菅からも土壌の六化クロムの溶融試験をするように言われました

No.23352 【A-5】

Re:生コンの洗浄水について

2007-06-28 18:17:54 おせっかい者

>生コン後の洗浄水について最近指摘を受けたものですが、

最近、中小のポンプ打設業者を直撃している問題ですね。
ゼネコン業者は残コンの処理費を負担してくれません。下請け業者の請け負け業のつらいところです。
お察し申し上げます。

生コンの洗浄水は、「pH12.3」以上あり、手の皮膚が剥けてきます。流末水が河川に流水すると魚が死にます。「pH10.3」以下の流水では魚は死にません。水酸化カルシウムから沈降性炭酸カルシウムに変化し「pH」が崩壊します。

「pH」が1変化すると濃度は、対数であるから10倍変わります。カルシウムは2価のイオンなので100倍濃度差が生じたことになります。いま、「pHが2.0変化する」と10,000倍濃度差が変化したことになります。

手の皮膚が剥けるのはこのためです。手に着いた程度の炭酸カルシウムは、口に入っても人体には影響はありません。炭酸カルシウムは胃酸過多の薬になるくらいですから。

面倒でも残コンは、生コン車に工場まで持ち帰って貰うしか方法はありません。

セメントのクロムも問題有りません。クロム中毒を引き起こす程六価クロムは含まれておりません。土壌ではカリ分があり三価のクロム酸カリになるので問題にはなりません。

メッキ顔料の六価クロムと同一に考えるには、濃度差があり少々神経過敏と云うところでしょうか。セメント工場の従業員が皆、六価クロム中毒になります。そのようなことはありません。


回答に対するお礼・補足

ありがとうございます
PHについて大変勉強になりました。最近考えた対策としては、現場に洗浄水を残されると、その処理まで考えなくてはならないので、ミキサーやポンプは生コン工場に協力してもらって、工場内で洗浄してもらうことにしました。また現場でも生コンのついた器具は、砂でこすって水を使わずに洗うことにしました。
なるべく洗浄水からは逃げようと思います。

No.23443 【A-6】

Re:生コンの洗浄水について

2007-07-04 10:16:07 くろ

A-5のおせっかい者 様
>セメントのクロムも問題有りません。クロム中毒を引き起こす程六価クロムは含まれておりません。土壌ではカリ分があり三価のクロム酸カリになるので問題にはなりません。
セメント改良土等による六価クロム汚染が問題になり、国交省が溶出試験を義務付けていますが、どう思います。
http://www.mlit.go.jp/tec/kankyou/kuromu.html

回答に対するお礼・補足

六価クロム汚染について、どうなんでしょう。
もっともっと専門家の意見を聞きたいです。
役所の考えでは、一滴でも現場に浸透した証拠を提出されれば、その業者は違法工事をしたこととなり、処分されます。本当にどこかで線引きしてもらいたいです。

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