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環境Q&A

環境経営の仕事 

登録日: 2008年02月05日 最終回答日:2008年02月10日 エコビジネス 環境マネジメント

No.26856 2008-02-05 04:51:24 ZWlad62 大学1回生

こんにちは。過去ログを探しましたが似たような質問を見つけられなかったので質問させて頂きます。

私は現在、ある国立大学の「環境」の名を冠した学科に通っております1回生です。
質問内容は、環境経営の仕事と大学時代の研究分野についてです。

このWebページや環境の仕事に関する本を読む中で、例えば企業の環境部など、会社の環境経営に関わる仕事に就きたいと思うようになりました。
しかし私の通う学校では主に生態学・化学・地学等の研究が盛んであり、少なくとも学部生のうちは環境経済・経営といった研究室への配属は不可能です。
そこで、将来企業の環境部門への就職を望む際に、どのような研究分野を勉強しておけばよいのか、と思い質問させていただきました。

ちなみに、大学院への進学は考えております。
同大学の院(多少は環境経済・経営に近い研究室もある)に上がる可能性も、他大学の環境経済・経営専門の研究室を持つ院を受ける可能性も考えています。

総件数 8 件  page 1/1   

No.26861 【A-1】

Re:環境経営の仕事

2008-02-05 23:01:08 あいそじむきょく (ZWlac5c

大学の教授や就職指導の教官から、その様な職についている卒業生を紹介してもらい、直接会って聞いてみるとか、企業にアポを取って聞いてみるのも一つの手ではないでしょうか。

環境経営の仕事といっても幅が広いです。REACH規則やRoHS指令への対応など環境法規制へのコンプライアンス活動の事務局、顧客からのグリーン調達調査への回答、禁止化学物質の含有量調査/分析、廃棄物処理の管理、ISO14001事務局、内部環境監査、調達先の監査、CSRでGRIガイドラインに基づく社会・環境報告書の作成などと色々ですが、

環境経営は企業のURLを見ると華やかな部門と思われがちですけれど、実務は地味でとても苦しい仕事ですよ。例えば関連法令、条文、EU指令やIEC規格の追補まで丹念に読み込む根気がないと務まらないし、リスクマネジメントは成果主義を取り入れてる企業では評価が低いですからね(問題があったときだけ減点されるし)。志願者がいらっしゃるのは喜ばしいことです。

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。

確かに環境経営の仕事と一口にいってもまた様々あるのですね。
そこまではよくわかっていませんでした。

また仰る通りに地味で苦しい仕事ではあると思います。
しかしこの先の社会を考えたときに、自分の適性がその仕事にあるのならばやる価値はあると思っております。
私の適性がそれなのかは未だわかりませんが・・・。

具体的なアドバイスについては大変参考になりました。
ありがとうございました。

No.26875 【A-2】

Re:環境経営の仕事

2008-02-06 16:56:05 介(すけ) (ZWlac50

はじめまして。
私は現在、中小企業ですが環境関係の仕事をしておりますので、お粗末ながら実務者の意見として参考になればと思い、書き込みします。

まず、環境経営の仕事と言っても、あいそじむきょくさんのおっしゃる通りさまざまです。
私の場合は、ISO14001の事務局(システムの考案から社内展開など)、EHS(環境負荷物質:RoHSなど)の分析手配から回答、内部環境監査、調達先の環境監査、顧客からの環境監査対応など、企業で行うであろう環境関係の実務は一通りやっていると思います。

実務者として言わせて頂ければ、環境は”パフォーマンス”ですので、結果もすぐに見ることは出来ません。
今日の活動で将来的に芽が出るといった感じであり、実に地道な仕事です。
正に、「継続は力なり」がピッタリです。
そのため、会社としての方向性はもちろんですが、自分なりにも明確な将来的ビジョンが問われる仕事であるとも言えると思います。

大学で何を専攻されているかはわかりませんが、環境で共通しているのは、”化学物質”ではないでしょうか。
例えば、環境負荷物質の調査回答をするにしても、調査対象物質がどんな組成で、どんな特性があるかを知っているのといないのでは、雲泥の差があります。
その辺も熟知した方からの回答だと、顧客の信頼度も違ってきます。(=顧客満足の向上に繋がると思います)
また、環境汚染等も最終的には人に跳ね返ってきますので、環境を汚染する化学物質が人体へ与える影響(毒性など)も、”化学物質”の知識が必要です。

何はともあれ、大学での研究も無駄にはならないはずです。
その研究を通した”経験”は、きっとあなたの武器となります。
(知らないより、知っているに越したことはありませんしね^^)

私の意見としは、こんな感じです。
長々と駄文になり、すいません。

最後に、このサイトの「よくある質問」という所に、あなたと同じような質問がいくつかありました。
(>過去ログを探しましたが似たような質問を見つけられなかった・・・。→この発言を責めているわけではありません)
気づいていないかもしれませんので、ご連絡まで。






回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。
実務者である、というだけに参考になります。

確かに環境問題と化学物質の関係は切り離せないかもしれません。
私はまだ専攻を選択する段階にもおりませんが、元々化学は得意ですので選択の際には考えたいと思います。

過去ログにつきましては見落としておりました。
ご指摘ありがとうございます。

No.26898 【A-3】

Re:環境経営の仕事

2008-02-07 16:47:57 神奈中ISO (ZWla5f

こんにちは、私も中小企業でISO関連(環境、品質)の事務局(実質一人で実務全般)を担当している者です。

A-1、A-2回答者様も言っておりますが、とても地味な仕事です。

但しマイナスイメージばかりでは、やる気が出ないでしょうから一言参考まで

以前は企業防衛的仕事でしたが、最近では企業イメージの向上等、
積極的な企業戦略として位置づける会社が増えていると思います。

必要な事として付け加えさせて頂くとすれば、私の場合は英語です

当社では輸出が多く、海外からの問い合わせに対応する必要があり、大変苦労しております
(ほとんど英語が出来る営業担当に訳してもらうのですが、専門用語は自分で調べるしかありません)

それと、とても忍耐力が要求される仕事なのですが、全く持続しません。
ある種いいかげんな部分が必要なのと、気分転換の趣味が不可欠となります。

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。

やはり地味な仕事なのですね。ここまで言われるとさすがに少し悲しくなりました。
しかし「積極的な企業戦略として―」といのは希望が持てますね。これから社会全体がそういった方向に動いてほしいです。

英語はやはりどこにいっても必要なのですね。
一応学生としては得意なほうだと思って(勘違いして)いますが、社会で求められるレベルというものはかなり高いと思いますので、これからも努力していきたいです。

No.26905 【A-4】

Re:環境経営の仕事

2008-02-08 00:08:40 久遠 (ZWl598

>こんにちは。過去ログを探しましたが似たような質問を見つけられなかったので質問させて頂きます。
>
>私は現在、ある国立大学の「環境」の名を冠した学科に通っております1回生です。
>質問内容は、環境経営の仕事と大学時代の研究分野についてです。
>
>このWebページや環境の仕事に関する本を読む中で、例えば企業の環境部など、会社の環境経営に関わる仕事に就きたいと思うようになりました。
>しかし私の通う学校では主に生態学・化学・地学等の研究が盛んであり、少なくとも学部生のうちは環境経済・経営といった研究室への配属は不可能です。
>そこで、将来企業の環境部門への就職を望む際に、どのような研究分野を勉強しておけばよいのか、と思い質問させていただきました。
>
>ちなみに、大学院への進学は考えております。
>同大学の院(多少は環境経済・経営に近い研究室もある)に上がる可能性も、他大学の環境経済・経営専門の研究室を持つ院を受ける可能性も考えています。


過去ログに似たようなのがありますので探してみて下さい。

一つ後ろ向きなことを言いますと、
環境経営という漠然とした定義に真っ向から取り組んでいるのは一部の大企業のみです。そんな非生産的な金ばかりかかる部門に人と資金を注入できるのは大企業しかいません。そしてそういう大企業迎合型の外形基準で『日本の環境に優しい企業を決めよう!』なんていうアホな賞も沢山あります。
中小企業などその他の企業は環境経営なんて考えてません。彼らにとってみればiso14001などは取引条件だから仕方なく取っているだけで、そういう目的の企業は紙・電気・水の次に何取り組んで良いかわかりません。一部のアホな自治体の様に、『環境マネジメント?金かかるから返上返上!』なんて言うこともできない悲惨な状態です。彼らにとって環境経営なんて二の次です。何も生み出しません。

一度現場を見つめてみるもの良いと思いますよ。環境省では環境インターンシップなんてのをやり始めてますし。


 答えになって無くてすいません。
 最近の環境経営ブームに嫌気がさしてまして、愚痴ってしまいました。

No.26911 【A-5】

Re:環境経営の仕事

2008-02-08 09:12:38 介(すけ) (ZWlac50

またまた投稿します。

久遠様のおっしゃることは、確かに一理あり、下記のように耳の痛い現状はあります・・・。
 >iso14001などは取引条件だから仕方なく取っている。
(これについては、本当に耳が痛いです・・・。
 が、現状と愚痴を私も一言。
 取引条件がISO14001取得で、うちの倫理はこうだから守れやら、CO2削減計画出せやら、大きなお世話だよ!と、言いたいですね。じゃあ、それやったうちの製品どれだけ買ってくれるの?ってね。決め手は品質・価格・納期のくせに、環境確認項目だけやたら細かいのには、うんざりします。)
 >『環境マネジメント?金かかるから返上返上!』なんて言うこともできない悲惨な状態。
(実際、14001の更新費用として、年間100万近くかかってますので、14001更新のサービスと費用が釣り合ってない感じはします。)

上記のような現状も踏まえて、お気持ちに共感出来る部分は多々あります。
あるのですが、全ての中小・その他の企業がグリーンウォッシュ的な発言は如何なものかと・・・。
 
確かに、行政のサポートが皆無に等しい中で、少ない資源(人、物、金)で環境改善をするのは実際、苦しいです。企業である以上、利益を出してなんぼですから。
(利益が出なければ、給料も貰えないわけですし。)

それでも、身の丈にあった経営による環境改善は可能だと思ってます。
要は、発想の転換だと思います。
(発想の転換といっても、悪知恵じゃないですよ。)

従業員の教育により、従業員が家庭でも環境について考えるきっかけを作ることも十分、環境改善に繋がるのではないでしょうか?
そういう意味では、中小だろうが企業として果たす役割はまだあると思っております。


No.26913 【A-6】

Re:環境経営の仕事

2008-02-08 10:53:16 久遠 (ZWl598

介 様


ご指摘痛み入ります。反省を含め若干修正を。


環境経営、勿論様々なレベルの企業に必要な行為です。ですが、例えば下町の工場がR社の様に大々的な環境経営やってます!というCMをするわけにも、J社の様に何万本も植林してます!何て事は言えるわけもできるわけもありません。

そういう企業にとっての環境経営は何か?
私はコスト改善だと思います。例えば原料を出来るだけ有効に使う=資源生産性を上げる、そうすれば廃棄物も減りますし、廃棄物を減らす=立派な環境活動 に値すると考えます。

つまり、環境に関する技術でなくとも、企業レベルに因っては環境経営に資することができるということです。


 環境経営は、それを実践する企業レベルでも様々な対応が考えられますので、色々勉強してみて下さい。

回答に対するお礼・補足

久遠様、介(すけ)様、度々のご回答本当にありがとうございます。
大変に参考になっております。
誠に勝手ではありますが、お礼をまとめてにさせて頂きます。

確かに中小企業でも、社内教育や技術向上など可能なことは様々あるけれども、大企業のように真正面からぶつかるだけの余裕はないのですね。
言われてみれば想像がつきます。

それに例えばISO14001なんかは大企業以外にとっては若干お荷物と化しているのですね。
というか、完全に取引のための形式的義務にまでなっているとは・・・。
それでいて余裕のある大企業が賞や規格をかっさらってイメージを向上させていく・・・。

自分の想像なんかよりはるかに事態は複雑になっているのですね。
久遠様の言うとおりに、一度現場を見てみることも頭に入れておきたいと思います。

重ねてになりますが、貴重なご回答とお時間を頂きありがとうございます。

No.26928 【A-7】

Re:環境経営の仕事

2008-02-09 09:05:23 神奈中ISO (ZWla5f

こんにちは、質問者様の回答に対するお礼の内容からすると、かなり優秀な方のようです。
(優秀というのは、化学、英語の事では無く、文面から勝手にそう思いました)

では蛇足になりますが、もう少し参考内容を付け加えさせていただきます

確かに実態は、久遠様のおっしゃるとおりです、企業は利益優先ですから、
環境対策(PR費用も含む)にかけられる費用と、利益となる効果を見比べた場合、
中小企業はあまり、お金をかけられません。
そのような状況で、介様がおっしゃっているように、大企業から化学物質含有量や環境に関する
管理状態の調査等を無条件で要求されます
(この調査はISO14001認証取得に関係無く要求されます)

ISO14001認証取得のメリットは、そのような調査が来た場合、認証取得していることを回答すれば、
その他の調査内容に対し回答する項目が減少することや、入札条件として多少有利になる程度でしょう。

しかし、当社のように海外の顧客を相手にしていると認証取得だけでかなりの効果があります
最近では中東方面からの問い合わせもあり、驚いています。
(私の場合、悪意的発想の転換と批判されるかもしれませんが、
この世界的環境ブームを当社の発展のために利用しようと思っています)

規模にかかわらず企業によって色々な状況がありますので、久遠様もおすすめしているように、
インターンシップ制度を利用して自分の目で確かめるしかないですね

回答に対するお礼・補足

再びのご回答ありがとうございます。

やはり現在では環境対策における費用対効果は、中小企業が思いきり取り組めるほど大きくないのですね。
しかし費用対効果が上がるといっても、その場合は結局はPR効果によるものが大きいのでしょうか。
そうするとまた結局大企業が有利ですね。

ISO14001については、まさに費用対効果の小ささを示すもので、少なくとも国内では取得していることによるメリットは小さい(むしろマイナス?)なのですね。
確かにそれでは愚痴も出ますね。
ただ海外の顧客にしてみれば、ISO14001取得が大きな評価に値するものだとか。

単純に規模だけでなく、会社の顧客や方向性で変わってくるとのことですので、企業を選ぶ際はそのことを念頭に置きつつ、インターンシップ制度を上手く活用したいと思います。

No.26935 【A-8】

Re:環境経営の仕事

2008-02-10 09:05:53 久遠 (ZWl598

ちなみに、iso14001について一言補足します。

iso14001の取得企業、国際的にも日本がダントツです。2006年現在で世界の約20%、22,000社が日本の企業です。けど、私の予想では、2007年現在の数字では中国に抜かれる可能性があると思います。日本の取得企業数(適合組織数)はここ数年頭打ちですが、中国は毎年4−50%近い伸びを示しています。早ければ2007年には逆転現象が起こると思っています。
 なお、子のデータは、ISO-SURVEYのHPで公表されています。
(※但し、日本適合性認定協会のデータでは、頭打ちではなく微増しています。)このデータの差異については、長くなるので割愛します。
http://www.iso.org/iso/iso_catalogue/management_standards/certification/the_iso_survey.htm

ご参考まで

回答に対するお礼・補足

再度のご回答ありがとうございます。

ISO14001に関しては、国際的な問題とも様々関わってくるのですね。
それにしても中国は環境の面(少なくともISO14001に関して)でも力を伸ばしてきているとは・・・。

色々と勉強になります。

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