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環境Q&A

セレンの測定 

登録日: 2009年02月03日 最終回答日:2009年02月10日 水・土壌環境 水質汚濁

No.31140 2009-02-03 13:59:47 ZWl6d5e さくら

JIS K 0102 67.3 (水素化物発生ICP発光分光分析法)により、セレンの測定を行っています。水に既知量のセレンを加え、回収率をとっていますが、少なくなってしまいます(回収率にもばらつきがあり、2〜8割程度)。過去にも似たような質問をされているのをみて、硝酸を完全にとばすこと等、注意はしてやったのですがうまくいかず、質問させていただきました。
 いろいろ私なりに考え、やはり還元操作に問題があるのではないかと思いました。前年3月に改訂され、Asとは同時分析を行わず単独で行うようになり、塩酸(1+1)20ml加え、90〜100℃で約10分間加熱となりましたが、これでSeは全て4価になったのか疑問に思います。ヒ素を計る際にヨウ化カリウムを使用するので、流路は全てセレン用に変えています。より4価にするために、加熱時間を増やしたり、温度を上げたりも考えていますが、0価になるなど問題はないものでしょうか(または、そんなことは無駄なことでしょうか)。4価で止まるような還元剤があるといいんでしょうけどね。
 操作自体は、水素化物発生原子吸光法と変わりませんので、どなたかご教授お願い致します。

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No.31155 【A-1】

Re:セレンの測定

2009-02-04 05:03:53 たそがれ (ZWla61d

水素化物発生ICPでセレンをやっている試験所はおそらく全体の2割程度ではないかと思います。残念ながら私もやったことがありませんが今後回答する方の呼び水になれば、と思いレスをつけさせていただきました。
その意味で少し確認させてください。
「水に少量のセレンを加え、回収率をとっている」とありますが、検量線標準同様の処理だけなのでしょうか。それともホットプレート等での前処理からやっておられるのでしょうか。
標準と同じ処理なら、検量線だけよくて同じような標準をサンプルモードで導入したらいきなり回収されなくなるのでしょうか。調子の良い時と比べて検量線液の発光強度は落ちていませんか。それとも実サンプルの測定後、濃度既知の標準を導入したら回収されなくなるのでしょうか。
この辺が少し不明ですので整理してみてください。

回答に対するお礼・補足

回答ありがとうございました。通常試料は、少量の有機物も入っていると考え、硝酸と硫酸による分解からしていますので、回収率もその操作から行っています。標準の方は規定通り、塩酸(1+1)からの還元操作からになります。発光強度の減少も見られません。セレンの分析をはじめて5年ほどしかなく、また検体も少なく、試料に並べて回収率を調べるようになったのがここ1,2年で、その間JISの改訂もあったわけで、その前後ともロスはありました。こんなところですが、お気づきになるようなことがあれば、よろしくお願い致します。

No.31160 【A-2】

Re:セレンの測定

2009-02-04 12:20:46 XJY (ZWlba48

>> いろいろ私なりに考え、やはり還元操作に問題があるのではないかと思いました。
還元に問題があれば標準にも影響がでます。試料と標準との操作の違いを考えると、試料の分解時に塩化セレンとして気散したと考えるのが妥当と思われます。

回答に対するお礼・補足

回答、ありがとうございました。私の持っている文献では、生成した塩素で再酸化されることがあるので、手早く次のセレン化水素の発生操作を行うとしかなく、塩化セレンとして気散することは知りませんでした。還元温度を計ったり、密閉系で操作するなど、一度方法を見直してみたいと思います。

No.31170 【A-3】

Re:セレンの測定

2009-02-04 23:11:54 たそがれ (ZWla61d

やはり、前処理(酸分解)工程か塩酸での予備還元のどちらか、でしょうか。
ただ、予備還元に原因がないとは言い切れませんが、だとしたらJISの不備ということになってしまいますね。


A−2のご意見同様、私も前処理ではないか、という気がします。
塩酸を加えてコトコト加熱、なんてしていませんか。酸化状態で分解しないと揮散の恐れがありますので、必ず硫酸、硝酸あるいは硫酸、過塩素酸、硝酸分解をする必要があります。

あと、温度管理ですが、セレンは砒素と違い、硫酸共存下でも温度を上げ過ぎると揮散してしまいます。たまにケルダールフラスコで直火、というラボもあるようですが、やはりビーカーでホットプレートが基本ではないでしょうか。
温度目盛りを何段階かで回収を確認されたらよいでしょう。(低いほうで200℃くらいの目盛からでしょうか 実測温度200℃はそろそろ危ない、と文献にはあります)
また、JISでは分解後、硫酸を乾固直前まで加熱、とありますが、かなり高温でないと長時間かかりますので、私どもは、あえて硫酸を残すようにしています。

追記
セレン標準液の価数を見てくるのを忘れましたが、6価なら検体同様に予備還元されることになるので検体だけ還元不十分ということはないですよね。

回答に対するお礼・補足

2度にわたり、回答ありがとうございました。セレンの標準は、市販のものを使用しており、0.1Nの硝酸中に亜セレン酸を溶かしたものかと思われます。酸分解は、ホットプレート上で硫酸の白煙が出てしばらくおきますので、温度は200℃は超していると思います。温度が高いと揮散することも知らなかったことでした。200℃以下で乾固する直前までとなると時間がかかることになりますね(硫酸が200℃以下で揮散するのかどうかも気になる点ですが、一度調べてみたいと思います)。酸処理での温度管理もしてみたいと思います。確認したいことですが、ここでいう乾固直前とは、硫酸もなくなるくらいまでということでよろしかったでしょうか?もともと(1+1)の硫酸が1mlしか入っていないので、0.5ml程度の硫酸を0.1〜0.2ml程度まで減らす感じで操作しています。

No.31179 【A-4】

Re:セレンの測定

2009-02-06 04:49:38 たそがれ (ZWla61d

誤解があるとうまくありませんので、しつこいようですが再登場させていただきました。

<もともと(1+1)の硫酸が1mlしか入っていないので、0.5ml程度の硫酸を0.1〜0.2ml程度まで減らす感じで操作しています。>

JISにある「乾固直前まで・・・」を素直に読めば、確かに上記のとおりで良いと思います。しかし、私の前任が検討した結果、そこまで濃縮したら回収が著しく落ちた、ということで私どもは硫酸を残すようにしているんです。私が確認したわけではありませんので再度確認してみてください。

それから、硫酸白煙は160℃くらいから発生しますが、感覚的に200℃短時間、というのは致し方ないという感じがします。日環協関連の書籍にもそう書いてあります。ホットプレートの目盛と実測温度とにはかなり開きがあるのが普通ですが、目盛を上げ過ぎると硫酸は317℃まで行ってしまいます。いずれにしても高温短時間でも200℃長時間でも乾固までというのはリスクがありそうだ、ということです。

標準についてですが、確かに亜セレン酸または二酸化セレン、ともに4価でしたね。もともと還元状態ですので、サンプルの予備還元について全く検討しなくてよい、というわけにはいきません。

あと、還元後、機器分析までの時間経過ですが、発生した塩素により再酸化される恐れがあるのであまりモタモタするな、とあります。今回のケースではあまりシビアになる必要はないでしょうけど、実サンプルではお気を付けください。

回答に対するお礼・補足

たびたびの回答、ありがとうございました。硫酸を意図的に残されているのでしたね。前回答を、入力してから気づきました(変更できず、そのままですみません)。ヒ素については、硫酸の白煙が出るまでとあり、セレンでは、蒸発乾固直前となっており、感覚的にはセレンの方は白煙が出てからもしばらく加熱という感じと思っていました。揮散のおそれがあるのなら、硝酸が飛んだら次の操作に進むくらいの方が良さそうですね。0.5ml程度の液を計る温度計があるかどうかわかりませんが、一度温度の確認をしてみたいと思います。硫酸の白煙の出る温度、到達温度についても、情報ありがとうございます。勉強になりました。

No.31200 【A-5】

なんの足しにもならないかも、しれませんが。

2009-02-07 17:48:00 火鼠 (ZWl8329

発言が、混乱させたらごめんなさい。
分解法理解してません。ただ、思ったことだけです。

セレンや、砒素等の状態によっては、揮散しやすい金属は、分解時の容器の選定も必要ではないでしょうか?大きなホットプレートでノーマルのビーカー(100ml)だったら、時計皿しても硫酸還流なんかできないのではないでしょうか?トールビーカーとか、ケルダールフラスコみたいだと、硫酸還流できるのでは?使用する酸がめちゃくちゃ少ないようなので、分解に使う容器の形状(硫酸0.5mlなら、ビーカーの底の形状まで)考えないといけないのではないでしょうか?反応状態の硫酸還流と、硫酸白煙発生は違うのではと思ってます。ましてや、過塩素酸の酸化は、熱がかからないと、酸化力無しかも?ただし。乾固状態で、熱かかると。ドカンもあったりして。
本論からはずれているかもしれません。

回答に対するお礼・補足

回答、ありがとうございました。硫酸を還流させる目的だとしたら、ケルダールフラスコなんかが良さそうですね。ただ硝酸も飛ばさないといけませんので、飛んでから移しかえるということになりそうです。硫酸の量が少ないですが、100mlのノーマルビーカーで水の分解操作をすると、底一面に薄く硫酸の層が残ります。ただ試料となると、硫酸が試料にくわれて乾固しちゃうときもあります。この場合は、少量の硫酸を足してますけど・・・
あと、以前のどの程度まで酸処理するかですが、市販のセレン標準液を使う場合は0.1Nの硝酸で薄められているわけで、希釈を行うので極微量にはなると思いますが標準の中に硝酸が残ります。標準は直線性もよく問題なく測定できているので、硝酸が残ることに関して、そんなシビアになることもないような気がしています。 

No.31227 【A-6】

なんの足しにもならないかも、しれませんが。2発目

2009-02-10 10:18:50 火鼠 (ZWl8329

熱硫酸の酸化力は、有機物がなければしっかり使えるかもしれません(標準物質)。有機物があって、黒化したときに硝酸のような酸化剤がないと、砒素、セレンみたいなものは飛散してしまうのではないでしょうか?できれば、サンプルのみと、標準液を添加したものでくらべられたらいかがでしょう。わたしは、この手の金属は、分解時に酸化力を維持してないといけないのではないかと、盲信してます。しかし、次の操作(抽出とか、機器に掛けるとなると、邪魔になるため消す操作も必要ではと思っております。

回答に対するお礼・補足

2度にわたり、回答ありがとうございました。今まで、多量の有機物が含まれる試料を測定したことはないので、おそらく酸化剤がない状態で硫酸の白煙が出るようなことはなかったと思います。一度、硝酸の少量残る状態と完全になくなった状態とでは確認してみようと思います。なにぶん忙しいので、少し時間がかかりそうですが、是非回答したいと思います。

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